市場も「いい加減、XPとはさよならしたい」はず
Windows 7は、前田氏の宣言する「次のチャレンジ」を実現に向かわせる発火剤としての役割を果たすのだろうか? パソコン市場そのものの低迷について聞いた。
前田 「市場は若干スローペースですが、ようやく“ボトム”が見えてきたと考えています。弊社も台数・売り上げともに市場の厳しさを感じていますが、悪いニュースばかりではありません。案件の規模などからも次が見え始めています」
大久保 「市場的には、弓が張り切った状態で、ここで入れ替えるしかないという絶好のタイミングでWindows 7が出てくることになります。現在XPが使用されているハードの多くは4~5年前に導入されたもので、リースの切り替えもなかなか進んでいません」
前田 「今年前半は、必要なものを必要な分だけ入れ替えるという需要でしたが、これも耐え切れない段階まで来ています。動き出すと早いと見ています。減価償却という観点では、すでに2サイクルは経っている。大口の案件なら、減価償却の期間を待たなくてもコストダウンになる可能性があります。この状況でWindows 7を切り口に売っていくのは、非常に分かり易い」
Windows7の企業への導入は、どの程度のスピードで進むと見ているのだろうか。
前田 「コンシューマーか企業かでも、導入サイクルは異なりますが、企業では既存の環境から、どれだけスムースに移行ができるかどうかに掛かっていると思います。(Vistaの反省もあって)マイクロソフトは検証に力を入れています。パフォーマンス向上や互換性にもフィーチャーしている。これらがどれだけ早い段階で、受け入れられるかがカギになると考えています」
大企業では、サービスパックの適用にも慎重だ。導入を促進するためには、既存のハード/ソフトとの互換性が不可欠だ。とはいえWindows 7には高い期待を持っているようだ。Windows Vistaを見送った企業は「そろそろWindows XPとはさよならをしたい」という気持ちを強く持っているだろう。
製品ラインにおける「HPならでは」の強み
同社が期待を寄せるWindows 7だが、今後の製品ラインはどうなっていくのだろうか。
前田 「Windows 7搭載モデルを含めた今後の製品ラインについては、もう少ししたらお話できます。とはいえ現在のラインアップでも不足はなく、振り分けがうまくできているのではないかと考えています。ニーズに対するカバレッジが不十分では20%近いシェアを獲得できないためです」
HPの強みはマイクロソフトとの強い協力体制だ。
大久保 「フロントラインパートナーシップの強みがあるので、互換性については間違いないと思っています」
フロントラインパートナーシップとは、米マイクロソフトと米HPがグローバル規模で組むアライアンス。両社はこの提携の元で、様々な分野にわたり協力体制を組んでいる。Windows 7で標準サポートされる「マルチタッチ機能」は、HPの技術を基に開発されているほか、「MediaCenterの地デジ機能」もTouchSmart PCで培った技術が応用されている。
またOS開発にあたっても早期から動作検証に加わり、プログラム最適化のためのフィードバックを出してきた経緯がある。
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