工作にハマると毎日の景色が違って見えてくる!
―― 今後の目標を教えてください。
乙幡 工作ライターということで、記事を書きつつ、たまにワークショップしたり個展したりという感じで続けて行きたいと思っています。とりあえず、向こう5年くらいが見えればいいなという感じですね。2~3年後に全然別の職業になっているということもあり得るじゃないですか。だから、5年後も、この道を続けて、ちゃんとしたものを作って、それに関する本も出せたらいいなと考えていますね。
―― 公式サイトについてはどうでしょうか?
乙幡 正直、サイトを始めた当初からもっとやりたいことがあったんですよね。たとえば、自作のペーパークラフトをPDFでダウンロードしてもらうサービスとか。それこそ、ディアゴスティーニみたいに、毎月新作を出して、全部揃えるとひとつのものが完成するみたいな(笑)。
時間がなくてやれていないんですが、そういったデジタル発だけど結局手作りの方向にいくようなコンテンツを加えていけたら面白いと思っています。これまでに作ったモノの設計図でも何でもいいんですけどね。
―― 設計図を欲しがる人はいるでしょうね。実際、フォロワーといいますか、乙幡さんを見て工作を始めた人もいるんじゃないですか。
乙幡 デイリーポータルZのイベントや直接のメールなどで、「私もちょっと作ってみました」と声をかけてくださる方もいらっしゃいますね。それで結構感心することが多いんですよ。たとえば「パチンコ・CR自分」を自作された方がいたんですけど、私の記事では言及していなかった細かな工夫を加えて、すごい作品になっていましたね。そういう工作ファンといいますか、手作りを楽しむ人が増えるのは嬉しいですね。
―― では、最後はモノを作る魅力について教えてください。
乙幡 そうですね……。直接の手作りの面白さは皆さんイメージできていると思うので、それプラスのところで感じていることを話しますね。
たとえば、ここ(取材時のカフェ)にあるカップソーサーやICレコーダーも、工作を続けていると、どんなふうに作ったのか想像が巡るようになるんです。カップソーサーだったら、一見簡単に作ってそうだけど縁のカーブは意外と手間がかかっているだとか。ICレコーダーもすべて機械が作っているように見えて、実はカバーの金型は職人さんの工芸的な技術がが駆使されているんじゃないか? とか。実際のところはわかりませんが。
工作していると、段々そういうことが想像しやすくなって、ものの見方が変わってきます。単なるよく見る日常雑貨が、それぞれの工程が見えることで深みを増すといいますか。そういう面白さが自然と体験できるようになるんですよね。
筆者紹介──古田雄介
元建設現場監督&元葬儀業者&現古銭マニア&毎週仕事で秋葉原と都内量販店に足繁く通う毎日を送る現デジタルライター。現在、ASCII.jpの姉妹サイト「wakuteka.jp」にて、当連載50回記念特集「もっと顔の見えるインターネット」を更新中です。「古田雄介のブログ」では、皆さんのお勧めサイトを募集中です。
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