このところのネットブックの百花繚乱ぶりに、Windows 7でもネットブック/ネットトップ用エディション「Windows 7 Starter」がラインナップされることとなった。いったいほかのエディションと何が違うのか? RTM版のStarterを元に検証していこう。
ネットブックを対象にハードウェア上限を設定
Windows 7の6エディション(関連記事)の中で、もっとも低機能かつ低価格なのがStarterだ。
ネットブック/ネットトップ向けに提供されるエディションとして注目されているが、残念ながらパッケージでは販売されず、パソコンメーカー向けのOEM提供のみが予定されている。つまり、基本的には市販のパソコンにプリインストールされた状態でしか利用できないということだ。Aero系の機能などが省かれていることから(後述)、「今までWindows XPを動かしていたネットブックにインストールして使えるのでは」という期待もあったが、残念ながらその夢は叶わない。
またStarterには、以下のように搭載されるパソコンの「上限スペック」が定義されていると伝えられる(マイクロソフトによる公式の見解ではない)。ネットブック向けのWindows XPでも同様の上限があったが、部分的に緩和されたこともあるので、以下の上限もあくまで現時点でのものとなる。
- Starterの上限スペック
- ・画面サイズは対角10.2インチまで
- ・CPUはシングルコア、クロック周波数2GHz、TDP 15Wまで(チップセットやGPUは含まない)
- ・メモリは1GBまで
- ・ストレージは250GBまでのHDD、または64GBまでのSSD
- ・グラフィックス機能は制限なし
- ・タッチスクリーンの制限はなし(搭載・非搭載のいずれも可)
Starterは、これらの上限スペックを超えないパソコンにのみプリインストールされるという。ディスプレーサイズやCPUのスペックから見れば、ネットブック用エディションと見て間違いない。
はたしてStarterはどれほどの機能を持つのか、実際に触れながら解説していこう。なお本記事では、RTM版のStarterをNECのネットブック「LaVie Light BL310」に新規インストールした環境を使用している。スペック面ではオーソドックスなネットブックのそれであり、上記のStarterの上限にも当てはまる。
実際にメーカーから搭載パソコンが発売される場合には、各ネットブックに適したチューニングが施されたり、独自のアプリケーション、サービスなども搭載されたりすると思われる。ここでの記事とある程度の相違が生じる可能性がある点を、ご了承いただきたい。

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