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離脱ページをExcelで分類してアクセス解析 (3/4)

2009年09月04日 08時00分更新

文●中野克平/デジタルコンテンツ部編成課

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「離脱ページ」レポートをExcelで分析しよう

「Excelでいったい何を分析するんでしょうか?」――Google Analyticsのレポートは表形式なので、指標を使ってデータを分類するのです。「離脱ページ」レポートには、「ページ」「離脱数」「ページビュー」「離脱率」という4つの指標があります。知りたいのは、「高くてもよい離脱率」「低い方がよい離脱率」です。ページ数が少ない場合は、すべてのページを対象に分析しますが、500件インポートしたので些末なデータも含まれています。そこで、離脱数が平均以下のデータをフィルターで除外します。

「ホーム」メニューの「編集」→「並べ替えとフィルタ」で「フィルタ」を選び、「離脱数」列で「数値フィルタ」→「平均より上」を選んで、離脱数が平均以下のデータをフィルターで除外する

「ホーム」メニューの「編集」→「並べ替えとフィルタ」で「フィルタ」を選び、「離脱数」列で「数値フィルタ」→「平均より上」を選んで、離脱数が平均以下のデータをフィルターで除外する

 次に、新しいシートを作成し、すぐ元のシートに戻ります。ページビューと離脱率について、フィルターで「平均より上」、「平均より下」に表示を絞り込み、ページ(URL)の列だけを新しいシートにコピー&ペーストします。つまり、

  • ページビューが平均より上×離脱率が平均より下
  • ページビューが平均より上×離脱率が平均より上
  • ページビューが平均より下×離脱率が平均より下
  • ページビューが平均より下×離脱率が平均より上

 の4象限にページ(URL)を分類するのです。

4象限に分類するが、もともと離脱数が平均よりも多いデータにフィルターしているので、「ページビューが平均より下×離脱率が平均より下」の部分は空になる

4象限に分類するが、もともと離脱数が平均よりも多いデータにフィルターしているので、「ページビューが平均より下×離脱率が平均より下」の部分は空になる

 ASCII.jpは記事ごと、カテゴリーごとのGoogle Analyticsのデータを公開していませんので、URLをページの種別に置き換えています。しかし、こうして分類すると、離脱率の持つ意味がURLごとに異なることが分かります。順に見ていきましょう。


●ページビューが平均より上×離脱率が平均より下(PV多×離脱率低)

 ページビューが平均よりも多く、離脱率が平均よりも低いカテゴリーページは、ページビューが多いのでカテゴリーとしての集客力があり、離脱率が低い(カテゴリーページでセッションが終了しない)ので、そのカテゴリーに所属する記事ペー ジへの送客力もあることを意味します。

 一方、ページビューが平均よりも多く、離脱率が平均よりも低い記事ページは、ページビューが多いのでよいページといえそうです。ただし、1ページなのか最終ページなのかで少しだけ意味が異なります。記事ページの1ページ目の離脱率が低いのは、ユーザーが同じ記事の次のページに読み進んだこと、記事ページの最終ページの離脱率が低いのは他の記事に読み進んだと解釈できます。いずれの場合も、大きな問題はないと見てよいでしょう。


●ページビューが平均より上×離脱率が平均より上(PV多×離脱率高)

 ページビューが平均よりも多く、離脱率が平均よりも高いカテゴリーページは、ページビューが多いのでカテゴリーとしての集客力はあるものの、離脱率が高いのでそこでセッションが終了しており、そのカテゴリーに所属する記事ページへの送客力はないことを意味します。カテゴリーページと記事の性質にズレがないか、確認する必要があるでしょう。

 ページビューが平均よりも多く、離脱率が平均よりも高い記事ページの場合、やはり1ページ目なのか最終ページなのかで意味が異なります。まず、複数ページにわたる記事の1ページ目の離脱率が高いということは、見出しほどのインパクトが記事になかったと解釈できますので、見出しが過度な「釣り」になっていないか確認する必要があるでしょう。最終ページの離脱率が高いことは、他の記事には読み進まなかったと解釈できますが、記事そのものの問題はないはずです。連載目次ページの離脱率が高いことは、個々の記事のリンクをクリックしなかったことになりますが、問題があるとまでは分析できません。


●ページビューが平均より下×離脱率が平均より上(PV少×離脱率高)

 ページビューが平均よりも少なく、離脱率が平均よりも高い記事ページの1ページ目は、ページビューが少ない上にそこでセッションが終了してしまうわけですから、簡単にいうと「つまらない記事」です。大きな問題があります。一方、ページビューが少なく、最終ページの離脱率が高い記事は、最後まで読んでいることを考慮すると、つまらないというよりは地味な記事と解釈できます。離脱率が高く、他の記事に読み進まなかった点は、改善の余地があるかもしれません。

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