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Cyber-shotが撮影ロボットに!「Party-shot」の魅力

2009年09月03日 16時00分更新

文● 行正和義

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なんとなく、多くを望みたくなるのだが……

本来屋外で使うような製品ではないが、ちょっと出先で試してみた

本来屋外で使うような製品ではないが、ちょっと出先で試してみた。顔が真正面でないため、若干右側を空けて撮っているのは面白い(もっと横向きになるとさらに空間が広がる)。顔を真正面にすると人がだいたい中央に配置される。人物中心に撮るものとはいえ、どのように撮るのかが把握できたら、観光地などで風景を入れたセルフポートレート撮影にも使えそうだ

 実際にクルクルと回って顔を探している動きはそれだけ楽しく、パーティなどではそれだけでも盛り上がるのは確実だろう。同社が「Rolly」で走って踊るスピーカーという、それまで誰も思いつかなかった音楽の楽しみ方を提案したように、新しいデジタルカメラの楽しみ方とも言えるはずだ。

 もちろん、周囲の顔を撮るだけというシンプルなものだけに「だから何?」と言われそうなアイテムであるし、宴会や飲み会でテーブルの中央に置いて楽しむといった以外の用途はなかなか思いつかない。

 個人的には背景をもう少し多めに写し込むといった設定が欲しかった。本機が対応するCyber-shot TX1、WX1をはじめとした最近のモデルには「スイングパノラマ」と呼ばれるパノラマ撮影機能が搭載されている。これはシャッターを切ってカメラを水平または垂直に振るだけでパノラマ写真を自動合成してくれる機能だが、IPT-DS1の回転・チルト機構を利用すれば、より広い範囲のパノラマを作成でき、人物中心だけでなくその場の雰囲気も再現できていいと思う。

 リモコンで撮影方向などをコントロールできたり、USB接続で撮影方法をプログラムするといった機能があれば、さらに電動雲台的な遊びの余地はありそう、などと欲を言えば切りがないが、そのあたりをばっさり切り落として「Party-shot」として割りきっているのが本機らしいと言える。


写真撮影が変わる歴史的デバイス!?

 しかし考えてみると、カメラが自動撮影ロボット化するということはデジタルカメラにとっては実は凄い進歩ではある。

 銀塩写真の時代に「自動露出」や「オートフォーカス」が露出・ピント合わせという作業から撮影者を解放し、デジタル化で「オートホワイトバランス」や自動シーン選択、さらにはスマイルシャッター機能によって撮影者はシャッターチャンスの判断すらしなくて済むようになった。

 そしてIPT-DS1を使えば被写体探しや構図(まだまだ改良の余地ありではあるが)も考えなくて済んでしまう。昔堅気のカメラマンが言いそうな「撮影者の意図を盛り込むのが写真」という考え方からすれば、ついに撮影者の意図がユーザーの手から離れ切ったわけだ。それをどう感じるかはともかく、写真撮影という行為自体が新しいステージに入りつつあるのかも知れない。

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