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Windows 7はビジネスPCを変えるか? 第5回

ソニーに聞く、「Windows 7」後のビジネスVAIO

2009年09月08日 09時00分更新

文● 塩田紳二

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「TCOの削減」がWindows 7を導入するメリット
XPを使い続けるとデメリットも!?

VAIO type BZ

ビジネス向けノートPC「VAIO type BZ」

 ソニーとしては、企業がWindows 7を導入することで“TCO(所有コスト)の削減が進む”と見ており、これがWindows 7導入の大きな理由となると考えている。しかし、これまでも多くの企業がXPを使い続けてきているため、慣性は大きいと見る。それは、たとえばITマネージャーの立場からすると「社内に複数のOSが混在するのは、サポートの手間が大きいから」だという。セキュリティーパッチやアップデートの管理をOSごとに分けて行なわねばならず、サポートのためのリソースも分散される。

 マイクロソフト自身は、Windows 7に一番移行しやすいのはVistaとしているが、ソニーとして今後のモデルは、「Windows 7をプロモートすることになる」だろうという。今後の新製品にはやはりWindows 7を搭載し、旧OSに関しては動作確認やドライバーの提供を行ない、ダウングレード権によってVistaの利用をサポートする予定だ。とはいえ、現状Vistaを採用しているのは大企業に限られ、その場合にはマイクロソフトのボリュームライセンス(クライアント数が多くなると割安になるライセンス形態)を利用して導入していることが多いため、動作確認程度のサポート範囲で済むはずだと考えている。

 逆に、今後登場するハードウェアはWindows 7に最適化されたものとなるため、Windows XPを使い続けるとそのメリットを生かし切れない可能性があるという。

 Windows 7でビジネス向けのエディションは、「Professional」と「Enterprise」があるが、「Enterprise」はボリュームライセンスのみの販売となるため、ソニーが直接取り扱うのはProfessionalのみとなる。ただし、同社は現状のVistaでもやっているように、Enterpriseでの動作確認も行なう予定だという。

 また、顧客レベルでEnterpriseの導入が行なわれた場合、メーカー出荷状態ではないため、一般的にはサポート対象にならないのだが、「Enterpriseが動かないというのでは、ビジネスにならない」ため、検証などのサポート体制は必須だという。

 Windows 7導入のメリットについて、花里氏は「最新のOSでは使い勝手やセキュリティーの向上が図られています。もし投資が可能なら、早期にWindows 7を導入すべきだと思います。特にVistaを導入しなかった企業は、早めに検討に入ったほうがいいでしょう。たとえば、今後出てくるマシンとの適合性などを考えると、最新のWindows 7のほうが有利な部分があります」と語る。

 今後(年末から年度末)のことを考えると、ビジネスシーンにおいてもWindows 7の導入検討を早めに開始したほうがよさそうだ。


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