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夏休みの自由研究がまだ終わっていない人に

防災の日企画! 地震を検知するお手軽キット

2009年09月01日 18時41分更新

文● 藤山哲人

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いつきてもおかしくないと言われる
東海地震予知の根拠

 今度は歴史の時間だ。プレートが一定の速度で移動しているということは、定期的に地震があるハズ! ということで、偉い人が過去の文献をあたってみると、日本にはこんな地震があったとされている。

フィリピン海プレートに起因する大地震

発生年 規模 発生までの期間
1489年M8.4
107年
1605年M7.9
102年
1707年M8.4
147年
1854年M8.4
91年
1944年M7.9

 この表は、フィリピン海プレートが原因と見られる地震の歴史だ。だいたい100年から150年周期で地震が発生しているのがわかる。1944年の地震が最後になっているので、次にくるのは2044年~2095年ごろ。アレ? かなり先の話じゃない?

 しかし、1944年の地震では、阪神地方は揺れたのだが東海地方は揺れていないというのだ。プレートの境界には幅があるので、フィリピン海プレートの阪神より南側は歪みが戻っていると予測されるが、それより北の東海地方の歪みは1854年の地震以降蓄積されているハズと見られている。1854年から数えると今年は156年目。少ないサンプルだが、過去の例を見れば147年間のインターバルが最長だったので、156年目となった今、東海地方のフィリピン海プレートとユーラシアプレートがいつ大地震を引き起こしてもおかしくないのだ。これが東海地震の予測の根拠。

 一方太平洋プレートが引き起こしたと思われる地震の歴史は次の通りだ。

太平洋プレートに起因する大地震

 発生年     規模   発生までの期間
1633年M7.0
70年
1703年M8.2
79年
1782年M7.0
71年
1853年M6.7
70年
1923年M7.9

 最後の1923年は、冒頭にも説明した関東大震災だ。こちらは70~80年周期となっているので、次に来る地震は1993年~2003年。とはいえ、太平洋プレートに起因する大地震というのは、2009年までに発生していないので、こちらもいつ大地震が起きてもおかしくないという、戦々恐々とした事態になっている。

 また、2つの表を見比べてみると、フィリピン海プレートの1707年と太平洋プレートの1703年、1854年と1853年というように、互いのプレートが連鎖しあっていると思える節もある。どちらかのプレートによる地震が発生すると、もう片方のプレートも刺激を受けて立て続けに大地震が起きる可能性を秘めているのだ。しかも、フィリピン海プレートも太平洋プレートも、いつ地震が発生してもおかしくないという時期。それゆえ、大地震への備えが今必要なのだ。

フィリピン海プレートと太平洋プレートは互いに影響しあっているため、片方で大地震が発生すると、もう一方でも連動して大地震が発生する可能性が高い

 東海地震と恐れられているが、東海地域の人々だけではなく、プレート境界となっている、九州、四国、阪神、中京、東海、そして関東の人々も、地震に対する備え、防災意識を高める必要があるのが分かるだろう。

(次ページへ続く)

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