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夏休みの自由研究がまだ終わっていない人に

防災の日企画! 地震を検知するお手軽キット

2009年09月01日 18時41分更新

文● 藤山哲人

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プレートの仕組みを理解する

 太平洋プレートのほぼ中央にはハワイがあるが、プレートに乗って年間約10cmずつ日本に近づいてきている。つまり、6200万年後ぐらいには、ハワイは小笠原諸島となり品川ナンバーの車がブイブイ走っていると予測できる。

 一方、日本本土はユーラシア大陸を乗せたユーラシアプレートの崖っぷちにある。そして太平洋プレートは、ユーラシアプレートの下に潜り込んでいるため、プレート同士の摩擦でせめぎ合いが起きている。年に10cmも岩盤が潜り込むような巨大なパワーで……。

ユーラシアプレート(ビルがある方)の下に潜り込む太平洋プレート。中央はかなり歪みが蓄積された状態。何かの拍子でユーラシアプレートが一気にズレると大地震が発生し写真右のようになる

 写真はこんにゃくだが、プレートに非常に近い。ユーラシアプレートの崖っぷちは、年10cmずつ太平洋プレートに押されているため、固い岩盤ではあるが徐々に歪みへし曲げられている。その歪みが蓄積すると、ユーラシアプレートがズルッ!っと太平洋プレートの上を滑り、大地震が発生するというわけだ。比較的ゆがみが少ない状態で滑ると、それは小規模の地震になる。

 さて話を簡単にするため、ここまではユーラシアプレートと太平洋プレートのみに絞っていたが、日本は4つのプレートのせめぎ合いが起きている、世界でも例がない場所なのだ。そのおかげで地震も多く、狭い国土なのに火山帯も多く存在する。とはいえ、温泉があちこちにあるのは怪我の功名と言ったところか?

太平洋プレートは、北米プレートの下とフィリピン海プレートの下に潜り込む。フィリピン海プレートは、ユーラシアプレートの下に潜り込む。日本は世界に類を見ないプレートの交差点

 先ほど、日本はユーラシアプレートの崖っぷちに載っていると書いたが、載っているのは静岡県の安部川から長野県の諏訪湖を通り、新潟県の糸魚川で日本を分断した西側、つまり中京、阪神、中国、四国、九州のみ。

 関東、東北、北海道は北米プレートの上に載っている。この北米プレートとユーラシアプレートの境目が、フォッサマグナと呼ばれる日本を分断する大きな溝だ。ちなみに100Vのコンセント50/60Hzの境目でもある。

 さらに太平洋側のプレートも1枚じゃない。南からは九州、四国、阪神、中京、そして静岡県沿岸までをフィリピン海プレートがグイグイ押している。さらにフィリピン海プレートは、フォッサマグナの延長線にある海底で北米プレートにぶつかり、小笠原諸島あたりで太平洋プレートにもぶつかっている。

 まぁ言ってみれば、豪雨の降る地方で、かつ、家の裏は崩れそうな山。家の前にはダムにつながっている河川が流れ、山の中腹の崖スレスレに建てた家に住んでいるようなモンなのだ。早い話が、かなりヤバイ場所(笑)。

(次のページへ続く)

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