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週刊 PC&周辺機器レビュー 第20回

実用性がさらに向上 新「HP Mini」をチェック

2009年08月28日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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モバイルユースを重視するなら
大容量6セルバッテリーが必須

 最近はネットブックでもバッテリー駆動時間を重視する製品が増え、標準でカタログ値8時間をうたうものも珍しくなくなってきた。その点からすると、Mini 5101は標準バッテリーでのバッテリー駆動時間は約4.5時間(JEITA測定法1.0による)。無線LANを使用した状態での実働時間は約6~7割程度と推測すると、3時間前後となる。本気のモバイルノートとするにはもの足らない。

本体底面とバッテリー

本体底面とバッテリー。バッテリーには単体でおおまかな残量を表示するLED(写真中央やや右)がある

 幸い、オプションで「大容量6セルバッテリ」がラインナップされていて、これを装着しても重さは約1.3kg。標準の約1.2kgと比べて微々たる重量増で済んでいる。大容量バッテリーならカタログ値で約9時間のバッテリー駆動時間をうたっているので、モバイルノートとしてMini 5101を使うなら、ぜひ大容量バッテリーも一緒に買うべきだろう。

 そもそもHPのビジネスノートでは、冒頭で名前を挙げたHP ProBook 4510sのように、15型級で性能もそこそこ優れたノートが、Mini 5101より安い値段でラインナップされている。モバイルを重視せず低価格なビジネスノートという観点から製品を選ぶなら、ProBookの方が実用性が高い。Mini 5101を選ぶならモバイルユースを重点に置くべきで、モバイルに重点を置くなら大容量バッテリーは必須というわけだ。


完成度の高さは文句なし ネックは価格か?

 ネットブックとしてのMini 5101は、非常に完成度の高い製品だ。高解像度のディスプレーに高速無線LAN、洗練されたデザイン、大容量バッテリーを付けても軽量と、どこをとっても水準以上のネットブックとなっている。「多少割高でも、使いやすいネットブックが欲しい」というニーズに応える製品と言えよう。

 一方、Mini 5101の弱点は、一般的なネットブックと比べると価格が高い点だ。今回紹介したHDDモデルは、直販価格で6万9930円から(SSDモデルは7万9800円から)。5万円台が主流のネットブックより2万円ほど高く、価格的には同社の「HP Pavilion Notebook PC dv2」に近いし、エイサーの13型級低価格モバイルノート「Aspire Timeline」より1~2万円安い程度となる。

 もちろんこれらはコンシューマー向け製品で、OSもWindows Vista Home Premiumであるなど、Mini 5101とは方向性が違う。しかし、CULV版Core 2/Celeronプロセッサー搭載の低価格モバイルノートが8万円前後で登場してきた現在では、状況はすっかり変わってしまった。7万円前後のネットブックという存在は、今後難しい立場の製品になるのではなかろうか。低価格モバイルノートのトレンドの移り変わりの速さには、思わず目眩を感じるほどだ。

HP Mini 5101(VS586PC#ABJ)の主な仕様
CPU Atom N280(1.66GHz)
メモリー 2GB
グラフィックス Intel 945GSE Expressチップセット内蔵
ディスプレー 10.1型ワイド 1366×768ドット
ストレージ HDD 160GB
光学ドライブ なし
無線通信機能 IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 2.1
カードスロット SDメモリーカードスロット
インターフェース USB 2.0×3、アナログRGB出力、Gigabit Ethernetなど
サイズ 幅262×奥行き180×高さ23.2~31mm
質量 約1.2kg
バッテリー駆動時間 最大約4.5時間
OS Windows XP Professional SP3
価格 6万9930円

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