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週刊 PC&周辺機器レビュー 第20回

実用性がさらに向上 新「HP Mini」をチェック

2009年08月28日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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HP Mini 5101

HP Mini 5101

10.1型でも高解像度のワイドパネル

 Mini 5101は分類するとネットブックに含まれる製品であるが、一般的なネットブックの枠を超えた特徴を持つ。そのひとつがディスプレーだ。従来機種の「HP Mini 2140」では、10.1型ワイドサイズながら、解像度1366×768ドットのディスプレーを備える点を特徴としていた。Mini 5101もこの特徴を継承している。

 このサイズ・解像度のディスプレーを採用するネットブックには、ソニーの「VAIO W」があるが、まだまだ少数派。特にExcelやPowerPointなど、狭い解像度のディスプレーでは作業効率が落ちるビジネスアプリケーションの存在を考えると、やはり解像度が高い方が圧倒的に使いやすい。また、LEDバックライトを採用したおかげで、ネットブックとしては液晶ディスプレーの発色も良好である。

 もうひとつの継承された特徴は、プレインストールOSがWindows XP Professional SP3であるところ。いわゆる「Windows Vista Businessダウングレード」というやつだ。ビジネスマシンではActive Directoryで管理された企業内ネットワークに接続する必要もあり、XP Proは事実上必須。コンシューマー向け製品とは用途が異なるゆえの特徴である。

 CPUはAtom N280(1.66GHz)を搭載し、メモリーは2GBを内蔵している。チップセットはGPU内蔵のIntel 945GSE Expressと、メモリー容量を除けばありふれたネットブックの構成である。発熱はやや大きく、高負荷状態にあると排気口周囲の底面左側がかなり熱を持つ。

 ちなみに、Mini 5101はWindows 7の優待アップグレードの対象外である。OSがXPであるため、Windows 7にアップグレードする際にも、新規インストールが必須になる。しかしWindows 7対応デバイスドライバーは提供が約束されているので、Windows 7への移行については安心できる。メモリーも2GBあるので、メモリー1GBのコンシューマー向けネットブックに比べて、Windows 7の動作もより軽快になると期待できる。


インターフェースは標準的
HDD保護機能は安心感がある

 インターフェース類は、USB×3(ひとつがパワーオンUSB給電対応)、アナログRGB出力、SDメモリーカードスロットなど、こちらもありふれた構成である。

本体前面

本体前面。左の無線LANスイッチ以外は何もなし。ボディー側面が内側に湾曲したデザインは、薄さを感じさせる効果がある

本体左側面

本体左側面。左から電源コネクター、アナログRGB出力、USB×2

本体右側面

本体右側面。左からSDメモリーカードスロット、ヘッドホン、マイク、USB、LAN

 ネットブックとしては珍しいのは、無線LAN機能にIEEE 802.11n(ドラフトn)に対応した「Intel WiFi Link 5100」(11a/b/g/n対応)を採用している点だ。この無線LANモジュールは、モバイルWiMAX対応の「Intel WiMAX/WiFi Link 5150」と互換性があるので、もしかしたらWiMAX対応版が今後登場する、ということもあり得るかもしれない。ちなみに3G通信機能も内蔵可能で、日本通信(株)の通信サービスを利用した3G通信モデルも今後登場する予定だ(関連記事)。

 なお、有線LANもGigabit Ethernet対応で、こちらもネットブックとしては珍しい特徴だ。ウェブブラウズ程度ではGigabitも100BASE-TXもたいした違いは感じないが、LAN内でのファイル交換・転送などでは高速転送の性能が生きる。

 インターフェースではないが、HDDを衝撃から保護する「HP 3D DriveGuard System」を内蔵する点も、地味だが重要な特徴だ。東芝の「dynabook UX」が同種の機能を持つくらいで、ネットブックでは珍しい機能である。モバイルユースの多いノートでは、データ保護の観点からありがたい機能である。

HP 3D DriveGuard System

HP 3D DriveGuard Systemの画面。落下を検知してHDDヘッドを待避させることで、損傷から保護する

 もっとも、ストレージにSSD 128GBを内蔵するモデルもあるので、データの保護を重視するならSSDモデルを選ぶ方をお勧めする。

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