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リニューアルの成否をAnalyticsでアクセス解析 (2/5)

2009年08月28日 15時37分更新

文●中野克平/デジタルコンテンツ部編成課

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Webサイトの問題点を把握しよう

 リニューアルの前に、現状を把握します。以下はASCII.jpのあるサブドメインの概要です。

セッション数 255万2832セッション
 ノーリファラー 87万3133セッション
34.20%
 参照サイト 74万7784セッション
29.29%
 検索エンジン 93万1861セッション
36.50%
ユニークユーザー 108万1808UU
ページビュー 941万4312PV
平均ページビュー数 3.69PV
平均サイト滞在時間 2分55秒
直帰率 48.10%
新規セッション率 27.89%

 実は、この表をどんなに眺めていても、リニューアルの方針は見えません。Google Analyticsにはリニューアルの参考になる適切なレポートがないのです。そこで私がASCII.jpのリニューアル用に作った分析シート(ユーザーサマリーシート)を紹介します。

ユーザーサマリーシート
ユーザーサマリーシートの画像をクリックすると、PDFをダウンロードできます

 ユーザーサマリーシートは、Google Analyticsの指標を転記して、ユーザーのWebサイト内の回遊状況を把握するために使います。

「『直帰セッション』ってなんでしょうか?」――1ページしか読まずに帰ってしまうセッションのことです。直帰セッションのユーザーはサイト内で何も行動していませんので、行動を分析できません。滞在時間が0秒の場合もありますので、アクセスを解析する意味がないのです。しかし、Google Analyticsの平均ページビューは、直帰したユーザーの1ページ分を含んでいます。直帰セッションを除外して平均ページビューを見るのがユーザーサマリーシートの目的です。

 以下は、ユーザーサマリーシートに記入する値を表に置き換えたものです。総セッション数、ユニークユーザー、平均ページビュー、直帰率、ページビューは「ユーザー」→「概要」メニューの「ユーザー サマリー」レポートから転記します。滞在中のページビュー数が1ページビューのセッション数は、「ユーザー」→「リピート訪問数」→「滞在中のページビュー数」メニューの「滞在中のページビュー数」レポートから、1 ページビューのセッション数を転記します。

総セッション数
S
2,552,832
ユニークユーザー
U
1,081,808
訪問頻度
S÷U
2.36
平均ページビュー
Pa
3.69
直帰セッション 直帰率
B
48.10%
滞在中のページビュー数が1ページビューのセッション数
S1,P1
1,227,982
非直帰セッション 2ページ以上読み進むセッション数
S-S1=S2
1,324,850
ページビュー
P-S1=P2
8,186,330
平均ページビュー
P2÷S2
6.18
ページビュー
P
9,414,312

 Google Analyticsの平均ページビューは3.69でしたが、非直帰セッション(2ページ以上読むユーザーのセッション)では平均6.18ページ読まれています。ただし、「非直帰セッションの平均ページビューは6.18」も誤解のもとです。このサブドメインの滞在中のページビュー数は以下のように、1ページに次いで2ページが多く、「平均ページビュー6.18」は、あくまで平均です。

「滞在中のページビュー数」レポートは、「ユーザー」→「リピート訪問数」→「滞在中のページビュー数」メニューで表示する

「滞在中のページビュー数」レポートは、「ユーザー」→「リピート訪問数」→「滞在中のページビュー数」メニューで表示する

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