このページの本文へ

リニューアルの成否をAnalyticsでアクセス解析 (4/5)

2009年08月28日 15時37分更新

文●中野克平/デジタルコンテンツ部編成課

  • この記事をはてなブックマークに追加
本文印刷

リニューアル成功でノーリファラーが大幅減

 ASCII.jpは、2008年4月に大規模なリニューアルを実施しました。リニューアルの目的は、サイト/カテゴリートップや記事ページの構成要素を整理し、記事の見出しを目立たせ、更新したことが分かりやすく、ユーザーにとって有意義なページに見せ、平均ページビューを増やすことでページビュー全体を底上げすることです。以下は、リニューアル前後のあるサブドメインの指標です。

リニューアル前 リニューアル後 変化率
セッション数 255万2832 300万6802 17.78%
 ノーリファラー 87万3133
(34.2%)
69万146
(22.95%)
-32.89%
 参照サイト 74万7784
(29.29%)
111万20
(36.92%)
26.03%
 検索エンジン 93万1861
(36.5%)
120万6611
(40.13%)
9.93%
ユニークユーザー 108万1808 133万1816 23.11%
ページビュー 941万4312 1380万435 46.59%
平均ページビュー数 3.69 4.59 24.46%
平均サイト滞在時間 2分55秒 3分4秒 5.43%
直帰率 48.10% 44.35% -7.80%
新規セッション率 27.89% 28.22% 1.18%

 このリニューアルでは、カテゴリー構成の見直しやSEOなど、さまざまな施策を同時に実施していますので、今回はこのサブドメインでページビューが46%増加したことと、ノーリファラートラフィックが33%減少したことに注目してください。ページビューが全体で大幅に増えたとはいえ、ノーリファラートラフィックが33%も減少するのは尋常でありません。ユーザーサマリーシートで分析してみましょう。

 ノーリファラートラフィックは、ブックマークやメールマガジンのリンク、RSSフィードなど、リピーター(既存ユーザー)からのアクセスと同等と考えられるので、リニューアル前後の直帰率と非直帰セッションの平均ページビューをリピーターについて調べます。以下は、ユーザーサマリーシートをまとめた表です。

リニューアル前 リニューアル後
リピーターの直帰率 44.07% 40.68%
リピーターの非直帰セッションの平均ページビュー 6.34 7.73

 ノーリファラーというのはブックマークやメールマガジンなど、Webサイトの存在をすでに知っている場合のトラフィックです。しかし、リピーターからのアクセスと考えられるノーリファラートラフィックが33%も減少しているのに、リピーターの直帰率は44.07%から40.68%に、リピーターの非直帰セッションの平均ページビューは6.34から7.73に改善しているのです。セッション数が減っているといっても、直帰率も平均ページビューも、意図したとおりに改善しているので、ノーリファラートラフィックが33%減っているといっても、リピーターに嫌われたとは考えにくく、リニューアルは成功のはずです。いったい何が起きたのでしょうか。

この連載の記事

一覧へ

この記事の編集者は以下の記事をオススメしています