8月に追加された「SEO/SEM検索フレーズ比較」は、AdWordsやオーバーチュアという垣根を越えて、リスティング広告とオーガニック検索で、どのようなキーワードからの流入があったのかを把握するための機能だ。Google Analytics はAdWordsと強く結びついており、「リスティング広告」という視線で評価する機能は、グーグルには追加しにくいだろう。オーガニック検索では効果があるのにリスティング広告では効果ない、あるいはその逆のような形で、キーワードと自サイトの相性をSEO/SEM両面から評価できる。
こうして見ると、シビラのようなアクセス解析ツールは、日本の実状に合わせて、ユーザーが本当に欲しいと思っている機能を追加し、成長していることがわかる。ガラパゴスとも揶揄される日本のPC/IT業界だが、環境に適応して進化するのは悪いことではない。「分析レポートの種類を増やすのは簡単だが、実はもっとも基本的な機能すら効果的に使えない会社もある。やみくもに機能を追加するのではなく、ユーザーの顔を想像しながら、現場で必要とされる機能に絞っている」と竹内部長はいう。
「無料のGoogle Analyticsですら使いこなせないのに、有料の国産のアクセス解析ツールを使うなんて無理」というのはある種の偏見なのかもしれない。自社の実状に即した解析ができるのであれば、有料の国産のアクセス解析ツールだっていいじゃないか。