このページの本文へ

秋冬モデル5機種を投入

8倍録画がキレイ! ソニーの新BDレコを速攻レビュー

2009年08月26日 14時00分更新

文● 鳥居一豊

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

高画質・高音質にこだわった最上位モデル「BDZ-EX200」

EX200の前面のパネルを開いた状態

EX200の前面のパネルを開いた状態。中央のインジケーター部に「アクトビラダウンロード」の表示の追加やHDMI出力の表示の変更がなされている。下部は左側にB-CASカードスロット。右側にビデオ入力とHDV/DV入力、USB端子がある

 多くのAVファンが気になるのはEX200だろう。最初に概要を紹介すると、基本的な機能はRX100と同じ。「おでかけ転送」やビデオカメラとのダビングは機能的には同等だが、前面パネルのワンタッチボタンはないなどの違いがある。

 筐体に関しては、従来機のX95/100とほぼ同じ。最近の同社のAVコンポーネントに合わせ、アルミ製の天板を艶やかなブラック塗装のヘアライン仕上げとしているのが主な違い。大きく印象は変わっていないが、精悍さが増したように見える。

 このほか、2系統のHDMI端子は従来の2系統同時出力だけでなく、片方を映像のみ、片方を音声のみ出力する「AV独立ピュア出力」に対応。映像信号と音声信号の相互干渉を抑えることで、より純度の高い伝送が可能になる。AVアンプを組み合わせて使っている人なら、ディスプレーとAVアンプのそれぞれにHDMIケーブルを接続することで、より高画質・高音質化を狙える機能だ。

EX200の背面。基本的な配置は共通だが、2系統のHDMI端子周りの表示が変わっている

EX200の背面。基本的な配置は共通だが、2系統のHDMI端子周りの表示が変わっている


他のモデルとは異なる「CREAS 2 plus」の威力

 最近は、BDプレーヤーも普及価格から10万円を超える高級機までラインナップが拡大しており、比較的高価格な新モデルを取材するたびに同じBDソフトとは思えない圧倒的な差を感じることが多い。この差はつまり情報量の差で、単なる精細さやディテールではなく、特に最近では色の情報量の大きな差を感じる。

 それと近い印象をEX200の画質から感じた。ドラマの夜のシーンなどを見ると、建物の陰の黒に近いグレーの部分はもともと無彩色に近い印象だったのだが、近くにあるオレンジのナトリウムランプの色を受けてほんのりと赤みがかっていることがきちんと再現される。この再現には正直驚かされた。

 また、珊瑚礁を空撮した場面で、海の底に浮かぶ珊瑚礁の豊かな色がより濃厚に再現されたり、砂一色の砂漠が、驚くほど起伏に富んだ形状で再現されたりする。これらはおそらく色の変化を緻密に再現することで、解像度が高まったように感じているのだろう。

 これを実現しているのが、EX200だけの「CREAS 2 plus」に搭載された「クロマアップサンプリングフィルタ」だろう。クロマアップサンプリングによる色再現の向上は他社が先駆けて採用しているが、ソニーも負けずに同様に精度の高いクロマ処理を採用してきた。また、階調のスムーズな再現を行なうスムージング機能も改善を図り、さらになめらかな再現を可能にしている。

「4」(最大値)にすると、CGで描かれた細かい砂粒にまとわりついているもやもやとしたノイズが抑制され、すっきりと見やすくなっている

「アニメ・CGリマスター」の設定。「4」(最大値)にすると、CGで描かれた細かい砂粒にまとわりついているもやもやとしたノイズが抑制され、すっきりと見やすくなる

 そして、アニメ好きな筆者としても気になる新機能が「アニメ・CGリマスター」だ。デジタル制作が一般的となったアニメやCG作品で気になるノイズを除去し、市販ソフトに迫るクオリティを再現できる。

 具体的には、アニメの背景部分などの映像の潰れやノイズによる乱れをなめらかにする機能のようだ。効果が大きかったソースとしては、元がSD画質でアップコンバートされてオンエアされている作品。同様にハイビジョン制作にも関わらず、DVDで発売されているタイトルの再生でも効果は大きい。

 最近の作品は、セル画の輪郭のくっきりしたアニメの映像に、CGの細かなエフェクトなどが重ねられ、特にCG部分にチラチラとしたノイズが目に付きやすいが、こうした特有のノイズを抑える機能と言えそうだ。若干ディテールが甘くなる印象もあるので、好みに応じて使い分けるといいだろう。

「モニタ別画質プリセット」の設定。もっとも差がわかりやすかった「液晶(明るい部屋)」と「液晶(暗い部屋)」では、暗部の再現性に違いが出ていた

「モニタ別画質プリセット」の設定。もっとも差がわかりやすかった「液晶(明るい部屋)」と「液晶(暗い部屋)」では、暗部の再現性に違いが出ていた

 画質調整で選択できる「モニタ別画質プリセット」は、プラズマや液晶など、ディスプレイの画質特性に合わせた調整をあらかじめ行なったもので、特に暗部の再現性などに違いがある。ただし、画質調整自体は控えめに行なわれているようで、同じ液晶テレビで切り換えてみても、あまり大きな差は感じなかった。

 ただ「モニタ別画質プリセット」から選択できる「カスタム1/2」の調整項目はかなり増えており、BDプレーヤーの高級モデルなみの調整機能に迫る内容になっている。初心者には手強い機能になってしまったので、手軽にプリセットメニューを選択してもよいし、ベテランのAVファンなら、これらのメニューをベースに自分で画質を追い込んでいくという使い方が良いだろう。

カテゴリートップへ

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中