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IllustratorもJavaScriptで自由自在に! (2/4)

2009年08月25日 12時55分更新

文●古籏一浩

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Illustratorで新規ドキュメントを作成する

 はじめに、百ます計算表を描画するためのドキュメントを作成しましょう。Illustratorでは以下のようにすると新規ドキュメントを作成できます。


var doc = app.documents.add();


 変数docには新規に作成したドキュメントのオブジェクトが入ります。スクリプトを実行するとドキュメントが作成されますが、特に何も指定しないと以前作成したドキュメントやデフォルトの設定が引き継がれます。これでは、A4サイズで作成したいのにB5になってしまったり、CMYKモードで作成したいのにRGBになったりと、意図したとおりのドキュメントが作れません。

 そこで、app.documents.add() にカラーモードとドキュメントのサイズを指定します。

 ドキュメントのカラーモードは、最初の引数にRGBまたはCMYKを指定します。カラーの指定には以下のような専用のプロパティが用意されています。ここではRGBカラー(DocumentColorSpace.RGB)を指定します。

●RGBモード
DocumentColorSpace.RGB
●CMYKモード
DocumentColorSpace.CMYK

 ドキュメントのサイズは、横幅をapp.documents.add() の2番目の引数に、縦幅を3番目の引数に指定します。値はmmやcmではなく、必ずpt (ポイント) で指定する必要があります(*1)。とはいえ、A4サイズのドキュメントを作りたいときにポイント単位と言われても困ってしまいますね。

 そんなときは、Illustrator上で新規ドキュメントを作成する際に表示されるダイアログで調べると便利です。ダイアログでA4サイズを選択し、幅の横にある単位を「ポイント」にすると値がポイントに変換されます。ここで調べた数値をスクリプトに書けばOKです。

fig

A4サイズは210mm×297mm。単位はミリメートルになっています

fig

単位をポイントにすると、A4サイズは595.28pt×841.89ptということが分かります

 ここまでをまとめたものがサンプル01です。ESTKから実行するか、Illustratorのファイルメニュー→スクリプト→その他のスクリプト..で作成したスクリプトファイルを指定します。実行するとA4サイズのドキュメントが新規に作成されます(*2)

fig2-3

A4サイズで新規にドキュメントが作成されます


●サンプル01のソースコード


var doc = app.documents.add(DocumentColorSpace.RGB, 595.28, 841.89);



*1 1ポイント=0.352778ミリで換算できますが、誤差が出るためIllustratorに表示されるダイアログの数値と異なる場合があります。ちなみに、PhotoshopやInDesignではmmやcmなど使用可能な単位を指定できます。
*2 細かい解像度なども同時に指定する場合はadd()ではなくaddDocument()を使います。

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