細かい変更で使い勝手の良さを実感するWindows 7
新しいタスクバーの機能も、意外に気に入った。実行中アプリケーションの表示とクイック起動の統合は、「起動はガジェットでいいランチャー使ってるし、あまり使い道ないかもな」と、RC版などでテストをしているときは感じていた。しかし実際に使ってみると、普段使うアプリケーションは起動しっぱなしなわけで、タスクバー上に常時ショートカットアイコンがあっても邪魔にはならない。むしろ、タスクバー上にショートカットも並べてしまえば、ランチャーを使わずに済む。アイコンの表示位置も好きに入れ替えられる。
タスクバーアイコンにマウスを重ねると表示される「ウインドウプレビュー」も、RC版よりキビキビと表示される印象で、これならアプリケーションの切り替えに役立ちそうだ。Alt+Tabキーでのタスク切り替えも、アクティブなアプリケーション以外を透明化する機能が加わって、思った以上に目的のアプリケーションを探しやすくなった。
通知領域のシンプル化も悪くない。通知領域にある「ハードウェアの取り外し」や、「ネットワーク接続」の選択メニューも、VistaやXPより分かりやすく、かつ使いやすくなった。特に無線LANアクセスポイントやVPN設定が一覧表示されるネットワーク接続の選択は、一覧性がいいし接続や切断もすぐにできるしと、これまた意外に重宝している。
サイドバーの廃止は、個人的には少々残念だ。筆者はVistaの場合、サイドバーを画面左に配置し、最前面状態で使っていた。こうするとデスクトップの有効面積がサイドバーの分狭くなるが、アプリケーションを最大化してもサイドバー上のガジェットが隠れることがないので、ランチャーやRSSリーダー、各種状態モニターを使うのに適していた。しかしサイドバーの廃止によってこの使い方はできなくなり、アプリケーションを最大化すると、ガジェットが隠れるかアプリケーションの一部が隠れる(ガジェットを最前面表示にした場合)ようになってしまった。
いささか邪魔になるので、ガジェットの配置換えも検討しているが、マシンの配置もあって難しい。筆者はtype Zを右側、外付けの20.5型1680×1050ドットディスプレーを左側に置いて使っており、ガジェットは常にデスクトップの左端に並べている。ガジェットを右端に並べれば邪魔になりにくいが、視野に入りにくくなるので、使い勝手は悪くなる。
Vistaとの互換性の高さは実際たいしたもので、怖々入れ替えたものの、今のところは実に安定しており、問題なくWindows 7上で仕事をしている。パフォーマンス面での改善は、Vistaでtype Zを使用していた期間が短いのでよく分からないのが本音だが、全般的にキビキビと動いているように感じる。
OSカーネルは変わらず、基本的にはVistaのマイナーチェンジであるWindows 7だが、随所の改良で使いやすさが向上しているのは実感できる。これならVistaを敬遠していた人でも、ある程度満足できるのではないだろうか。
VAIO type Z VGN-Z92JS(テスト機)の主な仕様 | |
---|---|
CPU | Core 2 Duo P9700(2.80GHz) |
メモリー | 4GB |
グラフィックス | GeForce 9300M GS、Intel GM45 Expressチップセット内蔵 |
ディスプレー | 13.1型ワイド 1600×900ドット |
ストレージ | SSD 256GB |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
無線通信機能 | IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 2.1 |
サイズ | 幅314×奥行き210×高さ24.5~33mm |
質量 | 約1.39g(最軽量時) |
バッテリー駆動時間 | 約8~10.5時間(スタミナモード時) |
OS | Windows Vista Home Premium SP1 64bit版 |
価格 | 21万4050円 |
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