オタク文化を足がかりに、新たなポップカルチャー市場を開拓したい
今回の狙いはもちろん、新しいマーケットの開拓だ。実際、ウェブサイト上で出展を発表してから、すぐに問い合わせやライセンスの引き合いがあったという。これまでサンリオが扱っていた販売ルートではなく、ゲームセンターの景品にしたいという連絡も受けた。
海外からの注目も熱く、アメリカからライセンスの話も飛び込んだ。今年でハローキティが35周年を迎えるのを記念し、韓国やアメリカでアートイベントが開催される。そこに一連のグッズをポップカルチャーの一部として出展したいというものだった。
海外ではアニメやマンガ、キティなどすべてを含めて『日本のポップ・カルチャー』。それを混ぜることに抵抗がない。矢野氏は、日本でも同じようにポップカルチャーの融合現象は起きているのではないかと考える。単なるオタク文化ではなく、新たなマーケットがそこに生まれているのではないか。
「SDガンダムであったり、『ねんどろいど』であったり、アニメやコミックの世界ではどちら(オタク層と一般層)にも通用する『融通性』があります。その融通性がキティにもあるのではないかと」
冬に開催されるコミックマーケットにも参加予定だ。イラストレーターもすでに5~6名が決まっている。中では男性の「キティラー」を描く予定もあるという。コミックやライトノベルを作るという話もあるが、具体的に何をするかはまだ今後の課題だ。
「キティを使っている以上は老若男女の幅広い層をターゲットにしていきたい。とはいえまだ始めたばかりで、次に何をするかも決めていない状態です。サイトを見てもらい、『みんなで盛り上げてください』というところですね」