モバイルブロードバンドが変える生活とは?
1週間、ノートPCとデータ通信アダプタだけの環境で仕事が回るか考えてみると、入念な準備が必要かもしれないが可能じゃないかと思う。
たとえば大学の授業なら、教室にいる学生のアシスタントと打ち合わせをしておけばUstreamで可能になるだろうし、さら に言えば受講する学生も教室にいなくても、別にいいのかもしれない。ネットがつながる場所で、ノートパソコンやiPhoneから受講すれば、教室を介さずにリアルタイムな授業が可能だ。
すでにTwitterを活用した授業を嘉悦大学で展開していたため、テキストでのインタラクションを補完すればいいのだ。もちろん、ゼミのようなもっとフィジカルな場であれば難しいかもしれない。ただ遠隔対遠隔の分散型授業は、試す価値がある実験ではないか、とも思える。
大学の授業を例にした変化や示唆について触れてみたが、日本の大学と海外の大学をネットで結んで授業を共有するなど、同じようなことは既に行なわれている話だ。ただ両者が大学という場から切り離された時、前に触れた「ネットにつながる点」から解放されて行動できるようになる。
だからこその場所を共有する新しい意味が生まれるのではないか、とも考えられるわけで、時間・場所を誰と、いかに共有するか、という視点で有機的に自分たちの生活が変化していく未来が描けるのではないだろうか。
今回森の中で快適なネット接続が出来たという「体験」をした事は、僕にとって大きかった。次の未来につながる経験をしたら、またお伝えしようと思う。
筆者紹介──松村太郎
ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性に付いて探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET。
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