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SonicWALL JAPAN PEAK PERFORMANCE 2009 in TOYAレポート その2

まさにガチンコ!SonicWALLの作戦会議をのぞく

2009年08月18日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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担当も本音をぶつけてみた

 さて、こうなると担当もプレスの端くれとして、エグゼクティブに意見や質問をぶつけてみたくなった。ということで、セミナーで疑問に感じたことを、質疑応答の時間にまとめて聞いてみた。

SonicWALLのエグゼクティブの方に質問をぶつけてみた

無線LAN製品はそんなに売れるの?

 1つ目の質問は無線LAN製品についてだ。セミナーの話では、「ワールドワイドの売上の約20%はワイヤレス製品」からのものだという。しかし、今年のInterop Tokyo 2009では、メルーやアルバをはじめとしたエンタープライズ無線LANのベンダーは完全に姿を消し、ワイヤレス技術も3.5GのHSPA系やWiMAXなどのワイヤレスWANのほうの需要が高い。安価な無線LAN製品を扱う国産ベンダーも多い国内市場で、ソニックウォールの無線LAN製品は、果たして成功できるのか? 

 これに対してSonicWALL バイスプレジデント ジェネラル・マネージャのダグラス・プロケット氏は、「ワイヤレスはあくまでアクセス手段の1つに過ぎず、ワイヤレス製品で売上を上げることは目的ではありません。また、弊社でいうワイヤレス製品は、無線LANだけを指すのではなく、3.5GなどワイヤレスWAN対応の製品も指します。こうした多種のアクセス手段が売りになり、結果的に導入が増えればいいのです」と答えた。エンタープライズ無線LANのベンダーはニーズに対して、過度に高価なソリューションを用意したのが誤りだった、という見方も示した。

UTMはどこまで機能を統合するのか?

 2つ目の質問はUTMについてだ。現在、UTMはルータやスイッチなどの持つネットワーク機能のほか、WAN高速化や情報漏えい対策、SSL-VPNなど幅広い機能を統合しつつある。ソニックウォールはUTMのほか、SSL-VPNゲートウェイやメールセキュリティを別製品として持っているが、これはどこまで統合していくのだろうか?

担当の質問に誠意を持って答えてくれたジェネラルマネージャのダグラス・プロケット氏

 ダグラス氏は「ルータのようにヘッダだけをチェックする機器と異なり、UTMはデータ部分まで完全に精査します。ですから、SSL-VPNやメールセキュリティなど、いろんな機能を統合するのはアーキテクチャ的に容易です。しかし、統合することで使い勝手が悪くなったり、設置場所に制限が出たり、コストが上がるのはよい方策ではありません」とコメントした。つまり、もっとも必要な機能を最適な形にまとめ、適正なコストで提供するのがUTMの姿というわけだ。これに関しては、非常に納得できる。OSのアップデートで新機能が追加され、かえって使い勝手が悪くなったり、パフォーマンスが落ちてしまうという例があるからだ。機能を製品ごとの星取り表を基に積み上げていくのではなく、必要なモノをうまくまとめることこそベンダーの「センス」といえるだろう

クラウド全盛期の昨今、アプライアンスは必要か?

 昨今、クラウドコンピューティングが喧伝され、雲の中にセキュリティ装置を実装する動きも見られる。実際、Webアプリケーションの攻撃を防ぐWeb Application Firewallは、SaaS型で提供されるという形態も増えてきた。その一方で、ハードウェアは必ず故障するものだ。こうした中、アプライアンスの自社導入に意義を見いだす企業は、今後も増えるのだろうか?

 これに関して、ダグラス氏は「クラウド型のサービスが増えている状況も理解しているが、アプライアンスとクラウドはどちらも補完する関係にあります」と答えた。確かに製品の設定を細かく行なう場合はアプライアンスのほうがよいし、コストをおしなべて支払う場合にはやはりSaaS型のサービスの方が向いている。その点、両者は適切に補う関係にあるわけだ。むしろ、セキュリティ機器の管理や運用をアウトソーシングできるMSSP(Managed Security Service Provider)などが今後は顧客になり、ビジネスチャンスが増える可能性もあるという。

 このように、ダグラス氏は担当の思いつきとも呼べる率直な質問に対して、はぐらかさず非常に丁寧に回答してくれた。おそらく同席したパートナーの方々も同じ感想を持ったに違いない。

ネットワークでつながる時代のリアルイベントの重要性

 「ソニックウォールのような家族的なイベントをやるところは、本当に少なくなっていますよ。でも、こうした情報共有の機会は貴重で、販売に役立っています」という意見はあちこちで聞かれた。ネットワークであらゆるものがつながる昨今、関係者が直接触れ合うこうしたリアルイベントが、いろんな形でシェア拡大の原動力になっていることは間違いないだろう。(このような記事で)目標や施策を明らかにしてしまった以上、どこまで実現できるか、楽しみにしたいところだ。

2日間のイベントもつつがなく終了。みなさん、おつかれさまでした!

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