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SonicWALL JAPAN PEAK PERFORMANCE 2009 in TOYAレポート

北の大地が熱い!SonicWALLパートナーイベントに潜入

2009年08月17日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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顧客満足度が低い?サポート体制に課題あり

サポート体制などについて語るSonicWALLバイスプレジデントジェネラル マネージャ アベイ・ソラプルカー氏

 こうしたエンタープライズの開拓や長期的なサービス提供を実現するためにはサポートも重要だ。SonicWALLグローバルサポートマネージャのアベイ・ソラプルカー氏によると、現在ソニックウォールではインハウス(自前構築)を中心に、アウトソーシング、パートナーなどを組み合わせたサポート体制をワールドワイドで展開しているという。おもに北米では即日解決率(FDR)は60~70%、平均の応答スピードは2分、顧客満足度も5点満点中4.0以上のスコアをマークし、高いレベルをキープしているという。

 しかし、「問い合わせの数自体も増えており、電話がつながらないことも多々あります。また、対応するエンジニアの質も上げる必要があります。さらに、日本でのサポートは北米よりも低く、即日解決率や顧客満足度も目標となる値を達成していません」(ソラブルカー氏)など、事業の拡大とともに課題も増えているという。

 では、どう対処していくか? まず電話がつながらないという問題は、体制と人員を拡大。また、3000~4000ほど溜まっているナレッジベースを充実させ、問い合わせの前に問題を解決できるようにするという。さらに技術認定制度に多くの投資を行ない、エンジニアのレベルを向上させる。現在では、以前から展開しているCSSA(Certified SonicWALL Security Administrator)を今年に入って完全日本語化し、UTM用の新しい認定制度として開始した。

(秘密の)製品のロードマップも披露

90分という長い時間をとってSonicWALL プロダクトマーケティング ディレクタ ヤン・サイプ氏がロードマップを説明した

 製品に関しては、パートナーがもっとも気になるところであろう。現在、同社はUTMを中心にエントリー製品を拡充している状況で、「今年の前半ではTotalSecure TZ 180無制限版の置き換えとしてTotalSecure TZ 210、そしてTotalSecure TZ 180 25ノードの置き換えとしてTotalSecure TZ 200を投入しました。これらはSMB向けながら、SSL-VPNやHA構成も搭載しています。また、現行の第5世代のハードウェアは従来機種に比べて2.5~5倍パフォーマンスが向上しており、高速化したWANそのままのスピードを享受できます」(プロダクト マーケティング ディレクタ ヤン・サイプ氏)とのこと。また、5.3となっている同社のソフトウェア「SonicOS」のロードマップも披露され、2010年搭乗予定のSonicOS 6.0ではアクティブ-アクティブなHA構成やIPv6サポートも開始される予定。さらに別アプライアンスで提供されてきたSSL-VPNの機能がUTMに大幅に移植される。

製品戦略などを総合的に説明したSonicWALL バイスプレジデント ジェネラルマネージャのダグラス・プロケット氏。日本にも何度も来ており、パートナーの方々とも知己である

 さらに現在、E-Classとして展開しているエンタープライズ向け製品の拡充も予定している。同社のUTMはマルチコアCPUの採用で高い処理能力を実現しており、「コア数を増やすことで、容易にスケールアップすることが可能」(SonicWALL バイスプレゼンデント ジェネラルマネージャ ダグラス・プロケット氏)。こうした特徴を踏まえ、超高速なパフォーマンスを確保する製品の試作機がすでに動作している状態だという。

 一方、日本ではUTM以外の製品も課題となっている。同社はワイヤレス関連製品、SSL-VPNゲートウェイ、メールセキュリティ、CDP(Contents Data Protection)などの製品群が提供されているが、日本ではそれほどプレゼンスがない。「全世界で見ると売上の20%はワイヤレス製品だが、日本ではまだゼロに近いです。また、SSL-VPNやメールセキュリティは大いに伸びる余地があります」(ダグラス氏)ということで、パートナーとの協業により、UTM以外の比率を高めていく。特にSSL-VPNゲートウェイに関しては、UTMと組み合わせたソリューション提案も過去に成功していることから、今後注力していくとのことだ。

パートナーの表彰式での一コマ。こうしたイベントの風物詩とはいえ、やはりもらえばうれしいものだ

 イベントはこうしたセミナーを中心に展開された。初日の夕方からはアワードディナーが行なわれ、売上げやブランド向上などに貢献したパートナーが表彰された。通常、こうした表彰は事前に通知が行っていたりするものだが、今回は本当に通知されていなかったらしい。食事をほおばっている途中に呼び出され、悦びをあらわにする方もいた。レポートはラウンドテーブル編に続く。

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