このページの本文へ

行っとけ! Ubuntu道場! 第4回

~師範! Windowsと作法が違います!~

2009年08月13日 18時00分更新

文● hito(Ubuntu Japanese Team) イラスト●瀬尾浩史

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

アップデート、Windowsとこんなに違う!

小林:ということで、WindowsとUbuntuのアップデートの違いについてです。

やまね:まずどこからだろう? Windows Updateとの違い?

ミズノ:Windows UpdateとかMicrosoft Update(注3)に相当するものは、Ubuntuでは「アップデート・マネージャ」ですね。9.04からはアップデートが存在する場合、自動的にウィンドウが表示されるようになっています。

Ubuntuではアップデート・マネージャのかなり大きなウィンドウが自動的に表示される。これでアップデートがあることに気付かない、という人はほとんどいないはず

ミズノ:アップデート・マネージャは アップデートしてほしそうに こちらを見ている!

やまね:なんでドラクエ口調……。

hito:時事ネタは積極的に拾わないと!

ミズノ:いくやさんがドラクエやってますしね!

あわしろいくや:ラノベ読むのが忙しいんで、9はやってませんよ!

編集S:『俺妹』新刊のお買い上げ、誠にありがとうございます。

あわしろいくや:あと、Windowsとの最大の違いは、「入ってるアプリケーションも同時にアップデートされる」ってことですな。WindowsだとOS本体と、せいぜいMS Officeとかそれぐらいですからなぁ。


瀬尾浩史:ですね。自分でアップデートしないと、それ以外はアップデートされまペン。Adobeアプリとかは個別に自動アップデートされる仕組みが入っててもメンドーですペン。

やまね:アプリケーションもちゃんとアップデートしてね、って言っても、Adobe ReaderとかFlashまでは手が回らないとか。会社でWindows使ってる場合、管理者はとっても大変なんだよなぁ(←本業がそういう仕事の人)。

hito:DebianとかUbuntuだと、ちゃんとリポジトリから入れてればアップデートは一括&自動ですからねぇ。

編集S:その辺はUbuntu圧勝だったり? Windowsに比べて弱いところはない?

ミズノ:ないか、と言われるとあるんですが「条件がいろいろあるので簡単には言い切れない」という感じですね。

hito:たとえばUbuntuでも、超マイナーなソフトウェア、かつuniverseから入れたもの(注4)ではなかなかアップデートがかからなかったりします。これは「Windowsに比べると弱い」に当てはまるかもしれません。「Windows上で、メジャーなソフトウェアだけ使っている環境」と「Ubuntu上で、マイナーなソフトウェアも使っている環境」を比較しているのでフェアな比較ではないですけれども。

あわしろいくや:たしかに開発者が行方不明、なんてことも割とありますけど、ソースがあれば何とかなる、というのはありますな。

hito:誰も直さないこともありえるんですけどね……。

ミズノ:あとは、「リポジトリからではなく、自分でtar玉(注5)から入れちゃった」とか、「リポジトリ足さずにパッケージだけ入れた」なんてケースでは、アップデート・マネージャは面倒を見てくれません。

小林:私たちはリポジトリから入れることがほとんどですが、初心者の方はパッケージだけをダウンロードしてインストールしてしまうこともあるようです。

編集S:ぎ、ぎくっ。

hito:いや、誰も「アスキー・メディアワークスの刊行物を読んでてきとーにインストールした場合はダメ」なんて言ってませんからね? てきとーにGoogleで検索してコピペとか、特定の他社さんの刊行物を参考にすると、アップデート以外にも、もの凄くヒドい目にあったりするよー、とは言っておきたいところです。

ミズノ:Windowsとの重要な違い。「あとで再起動」を選択して、トイレ行って帰ってくるとログイン画面になってるってことがない。ちょっと待って、セーブしてない、みたいなことが起きない。

hito:重要すぎる……。

やまね:勝手に再起動するなんて、そんなエヴァみたいな……。

あわしろいくや:逆に、Ubuntuは自分でちゃんと再起動しないとアップデータ適用されないから注意して!

瀬尾浩史:再起動が要求されたりされなかったりするのはWindowsと同じですペン?

やまね:カーネルとかは再起動必須だねー。他にもudev(注6)とかは適用されるのにシステムの再起動が必要。

hito:Ubuntuではpythonのアップデートも再起動が必要になったりします。プログラミング言語のくせに。

ミズノ:なぜpythonで再起動が必要に?

hito:起動時に使われる、initramfsの中にpython組み込まれてるんですねー。この部分は再起動しないと反映されません。Windowsでも再起動が必須なケースでは似たような展開が裏で起こってます。

編集S:師範、会話がよく分かりません!

小林:pythonとかudevが、といったことを普通のユーザーが意識する必要はないので、「再起動が要求された場合は必ず再起動する」と考えて頂くのが良いと思います。

やまね:あと、セキュリティアップデート関連では、WindowsではTechCenterを、Debianではセキュリティ情報ページとかdebian-security-announceとか、Debian JP Users メーリングリストを見る、ってのが定石だけど、Ubuntuではどーしてるの?

小林:USN(Ubuntu Security Notice)をまとめたページか、ubuntu-security-announceというものがあります。日本語訳は……。

hito:G社さんの某連載で日本語訳が……。

編集S:競合他社のことは言うなッ!(と、ハリセンを素振り)

瀬尾浩史:……ゆ、許して! もう〆切は破りまペン~。でもTower Of AIONはやらせてペン~。空が飛べるんですペン~。

やまね:また関係ないはずの瀬尾せんせーが土下座してる。

あわしろいくや:どんだけ調教されてるんでしょうか……。

ミズノ:編集S……恐ろしい子っ!(本日二度目) っていうか瀬尾せんせー、空が飛べるかどーかが重要なんですか。

瀬尾浩史:ペンギンには重要ですペン。

小林:あとは、universeにあるものはUSNには含まれない、というのが重要ですね。

あわしろいくや:ですなあ。「インストール直後に含まれていなかったアプリケーションはアップデートされない(こともある)」というのは重要なポイントです。前回も話した内容ですが、universeにあるものはボランティアが頑張らないとアップデートされないので。

やまね:抜けてるものもある?

ミズノ:Debian側でアップデートがかかっていれば、ほとんどは大丈夫ですね。

やまね:ふむ。

あわしろいくや:まぁuniverseにあるものもCanonicalでアップデートしようよ、みたいな話は出つつあるので、そのうち何とかなることを期待していいかと。

瀬尾浩史:一般ユーザー的にはどうすればいいですか?

小林:基本的には、「アップデート・マネージャがアップデートを要求した場合は、必ずアップデートする」というのが良いと思います。

(注3)
小林:Windows UpdateとMicrosoft Updateの違いって何ですか?
ミズノ:Microsoft UpdateだとOfficeとかもアップデートされます。
やまね:でも、他のアプリケーションはアップデートされないんだよねぇ……。
編集S:一度Ubuntu環境に慣れちゃうと、Windows使うのがメンドくて。何とかなりませんか。
hito:なりません。

(注4)
小林:universeなどのリポジトリの区分は、第三回を参照してください。
編集S:PVアップのご協力、ありがとーございます。

(注5)
編集S:tar玉って何ですか。
小林:一般的に、Linuxではソースコードをtarアーカイブにまとめるのが普通です。
やまね:それを「tar ball」と慣例的に呼んでいて、その日本語表現がtar玉。
編集S:なるほど、「tar.gz」が末尾に付いてるファイルは確かによく見ますね。tarでまとめて、gzipで圧縮されてるやつ。あれですね。

(注6)
小林:udevというのは、「接続されているハードウェアを上手く認識するための仕組み」だと思っておいてください。
hito:厳密には違うんですが、「プラグアンドプレイを実現するための何か」ぐらいでユーザー的には問題ないと思います。逆に、それで問題が出てくるようなら開発者的には負け。
あわしろいくや:現状では負けっぱなしな気もしますな……。

(次ページへ続く)

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン