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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第84回

ケータイで撮影したHD動画はどれだけのもの?

2009年08月11日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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最も身近なビデオカメラである
“ケータイ”で登場したHD動画対応端末

 さて、ここまででは触れてこなかったが、もっとも身近な動画撮影の対応機器と言えばやっぱりケータイである。

 現在、ビジネス向けや通話に特化した端末など、一部の製品を除いて、ほぼすべてのケータイにカメラが搭載され、写真だけでなく動画撮影もできる。また外部メモリーカードの追加によって、2GBや4GBもの大容量ストレージが利用でき、撮影時間だけならば専用のビデオカムにも劣らない。

 動画撮影のスペックは640×480ピクセル、秒間30コマ程度が一般的だ。またカメラを売りにするシャープの8メガピクセル搭載の端末「SH-07A」は864×480ピクセルのワイド画面に対応。ケータイの画面いっぱいに高精細な動画を楽しむ録画モードを備える端末も登場してきた。

 そして、auの「Mobile Hi-Vision CAM Wooo」が登場して、ついにケータイでも1280×720ピクセルのHD動画が可能になった。

 Woooの基本的なスタイルは折りたたみ型で、ヒンジ部分にカメラを搭載しディスプレイの開閉に合わせてカメラ部分も動く。そのためカメラとディスプレイが常に同じ向きになり、録画時のファインダーとしての役割をキチンと果たす仕組みだ。

カメラ部

カメラ部。右上の2つの穴はステレオマイク。HD動画にステレオで音声録音ができるほか、音声ズーム機能にも対応する

3wayスタイル

ディスプレイを横長で開くこともできる。LISMOビデオや撮影したHD動画を楽しむ時に便利。3wayオープンスタイルを実現している

 さらにディスプレイの裏にはステレオスピーカーを備えており、正面からの音をしっかりと録音できる。また端末側面にはビデオカメラで見慣れた録画ボタン、ズーム・ワイドのキーが用意され、3倍光学ズームを生かしたカメラワークにも対応できる。

 ただ、端末をどう握るか、という撮影スタイルが確立されているわけではない。三洋電機のXactiシリーズは、筐体を握ると正面にカメラが向くスタイルだが、Woooの場合、端末のダイアル部を握るとカメラは上を向いてしまう。結局、片手でディスプレイ部を、もう片方の手で端末部分を支えるという両手持ちのスタイルが一番安定した

 またWooo折りたたみ端末を綴じた状態なら、ディスプレイの長辺を軸にして開くことができる2wayスタイルに対応した端末でもある。ワンセグや録画したHD動画を視聴するときに、机の上や手のひらに置いて見ることができ、撮影だけでなく視聴にも気遣いがなされた端末であることがわかる。

撮影ポジション

撮影時のケータイの持ち方は少しいいポジションをつかむまで時間がかかる。卓球のラケットのような持ち方をすると便利かもしれない

撮影関連キー

各種撮影機能に簡単にアクセスできるよう、ショートカットキーのガイドが印字されている

 だからこそなのだが、HD動画撮影中に、ディスプレイを回転させて、バリアングル風に活用できれば、もうちょっと撮影スタイルにも広がりがあったかもしれない。

 またWoooの動画撮影にはたくさんの機能が付いている。例えば顔面にピントを合わせ続ける顔ピタAFや、光学ズームで寄ったときに、音声も被写体にズームアップする音声ズーム、マクロ撮影など、ケータイというよりはどちらかというとデジタルビデオカメラのスタンダードに近づけた機能性の高さは魅力的だ。

 そしてケータイとして使っていて便利なのが瞬撮ボタン。このボタンを押すと、一瞬で動画撮影モードが立ち上がり、撮りたいシーンをすぐに録画できる。こういった使い勝手の良さは、初めてのHD撮影対応ケータイとして高い完成度を誇っていることの現れと言えるだろう。

 さて、Mobile Hi-Vision CAM Woooの実力を知るべく、Nikon D90/iPhoneと合わせて、神宮外苑花火大会を撮影してきたので、以下でチェックしてほしい。

Mobile Hi-Vision CAM Wooo

Nikon D90

iPhone

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