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ネットと家族はどちらも大事――細田守、サマーウォーズを語る

2009年08月11日 16時00分更新

文● 宮坂琢磨

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個々の好きなものより、普遍的なストーリーを探すのが大事

―― 「サマーウォーズ」は、一方でオンラインのつながり、一方で家族のコミュニティが存在する、特殊なテーマ設定だと思います。「サマーウォーズ」はずばり何の物語ですか?

会場にはTwitterの画面も映し出された。「@intarajyuku」と送信宛先(@)をつけた発言のタイムライン(発言一覧)が表示され、細田監督に聞いてほしいことのリクエストや、トークイベントへの感想が気軽につぶやかれていた

細田 「サマーウォーズ」って映画は、デジタルのコミュニケーションと、家族のコミュニケーションが出てきます。大概、ネットのコミュニケーションが仮初めで、家族のコミュニケーションが本物だと語られがちです。

 かと思えば、まったく逆の、親戚なんて面倒くさいコミュニケーションよりも、見知らぬ他人とコミュニケーションとれるほうがいいですよ、とも一方では言われています。(「サマーウォーズ」では)どっちが良くて、どっちが悪いという話にしないと、最初から決めてたんです。

濱野 何の「物語」ということではなくて、二つのありがちな「物語」を宙吊りにするということですよね。

細田 そうですね。ネットの物語でも家族の物語でもなく、その両方を同じ意味合いにしたい。いま、まさに僕らが置かれている状況自体が、どっちを捨ててどっちをとるという話ではないし、どっちも大事じゃないですか。その大事さを大切にしたいと思ってるんです。


―― では最後に、あえて細田さんに「どうすれば良い物語が作れるのか」お聞きしたいのですが。

細田 う~ん。やっぱり「普遍」と言うことかな。もちろん時代時代で共感を得る物語はあると思うんですね。その時代の変化のなかで、そのたびにストーリーは変化すると思うのですけど、その変化に対応していけばいい物語になるかっていうと、今の私の志向からは違うんですよ。

 面白さって、多様な価値観のなかで、個人の好き好きって話になりがちですけど、みんなもっとベースで共感できる面白さがあると思うんですよ。普遍の方のストーリーを探すのが重要なのかなと、凄く思いますね。多様性と一過性じゃない、(物語の)強さが非常に重要だと思います。

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