VAIO type P vs.ネットブック・ミニノート
国内外メーカーも低価格小型のパソコンを積極的に投入している。VAIO type Pのライバル機種は多いが、代表的な機種で6万円台から10万円台の同価格帯ミニノートパソコンの富士通FMV LOOX U、ネットブックでWiMAX内蔵モデルのオンキョーSOTEC C204A5と比較した。
vs.FMV―BIBLO LOOX U:SSDやWiMAX、キーピッチでVAIO type P優勢
富士通FMV-BIBLO LOOX U のWEB MART直販モデルはCPUにAtom Z550 2GHzが選べ、VAIO type Pオーナーメードモデルで選べるCPUと処理能力は同等だ。
ストレージは、LOOX Uは現状でHDDモデルのみでSSDモデルは提供されていない。VAIO type PはHDDだけでなく、耐衝撃性能に優れたSSDも選択可能なのが心強い。
価格は類似の構成で比較してみると、LOOX U/C50Nカスタムメイドモデル(Windows XP、Atom Z550、HDD60GB、標準バッテリー、Bluetoothと無線LAN搭載)が約12万円、VAIO type PオーナーメードモデルVGN-P91HS(Windows Vista Home Basic、Atom Z550、SSD64GB、標準バッテリー、WiMAX内蔵、Bluetoothと無線LAN搭載)が約10万円となる。
本体サイズはLOOX U(標準バッテリー搭載時)が171(幅)×135(奥行)×26.5~33.0mm(高さ)、VAIO type P(同)が245(幅)×120(奥行)×19.8mm(高さ)で、フットプリントはLOOX Uが小さい。重量はLOOX U(標準バッテリー搭載時)が565g、VAIO type P(同)が588gだ。
液晶画面のサイズは、LOOX Uが5.6型ワイドスーパーファイン液晶、VAIO type Pが8型ウルトラワイド液晶。画面解像度は、VAIO type Pが1600×768ドット、LOOX Uが1280×800ドット、VAIO type Pは横方向の情報量が多い。
大容量バッテリーの動作時間は、LOOX Uが最長11.3時間、VAIO type Pが最長9時間で、FMV LOOX Uがより長時間動作する。
キーピッチは、LOOX Uは約15mm、VAIO type Pは16.5mm。キー入力に関しては個人差もあるが、キーピッチの大きさによる打ちやすさでVAIO type Pに軍配が上がる。
LOOX UにWiMAX内蔵モデルは存在しない。LOOX Uでモバイルデータ通信を利用するには、ワイヤレスWANモデルを選択するか、Wi-Fiを利用する。WiMAX利用ならデータ通信カードが必須だ。Wi-Fiは通信速度が速いが通信エリアは狭いため、ホットスポットに出向く必要がある。ワイヤレスWANは、WiMAXより通信エリアは広いが通信速度が最高7.2Mbpsと遅い。WiMAX対応データ通信カードの利用は使い勝手の点で劣る。VAIO type P(WiMAX内蔵モデル)の機動力と取り回しの容易さは代え難い。
VAIO type PとLOOX Uを比較すると、SSD選択やWiMAX内蔵の有無、キー入力のしやすさやインターフェースの数の多さを重視する場合、VAIO type Pが優位に立つ。
vs.SOTEC C204A5: ストレージやバッテリー動作時間ならVAIO type Pが優位に
オンキョーSOTEC C204A5は、WiMAX内蔵ネットブックだ。C204A5はCPUがAtom N270(1.60GHz)のみで、VAIO type PはオーナーメードモデルでAtom Z520(1.33GHz)~Atom Z550(2.0GHz)が選べる。
ストレージはC204A5がSSD 32GB、VAIO type PがオーナーメードモデルでSSDは容量64GB~256GBの間で選べる。SSDの容量と選択の幅はVAIO type Pの方が大きい。
価格はC204A5(WiMAX内蔵)が約6万円、VAIO type PオーナーメードモデルVGN-P91HS(Windows Vista Home Basic、Atom Z550、SSD64GB、標準バッテリー、WiMAX内蔵、Bluetoothと無線LAN搭載)が約10万円。
本体サイズはC204A5が257(幅)×180(奥行)×23mm(高さ)、VAIO type P(標準バッテリー搭載時)が245(幅)×120(奥行)×19.8mm(高さ)となる。フットプリントはVAIO type Pが小さい。重量はC204A5が約960g、VAIO type P(同)が588gで、VAIO type Pの方が軽量だ。
液晶画面はC204A5が10.1型ワイドTFTカラー液晶、VAIO type Pが8型ウルトラワイド液晶搭載で、液晶画面のサイズはC204A5が大きい。
解像度はSOTEC C204A4が1024×600ドット、VAIO type Pが1600×768ドットで、VAIO type Pの方が高解像度だ。
バッテリーでの動作時間は、SOTEC C204A5のオプションに大容量バッテリーが無く、標準バッテリーの動作時間は最長4時間。モバイルでインターネット利用を想定した場合、大容量バッテリーで最長9時間動作のVAIO type Pのスタミナ勝ちだ。
キーピッチはC204A5が17mm、VAIO type Pが16.5mmで、C204A5が若干大きめだ。 USBインターフェースはC204A5が左側面に1つ、右側面に2つ備えている。
C204A5とVAIO type Pを比較すると、CPUとストレージの選択の幅はVAIO type Pが広い。重量もVAIO type Pの方が軽い。動作時間も大容量バッテリーがあるVAIO type Pが有利だ。以上の要素を重視する場合は、VAIO type Pは選択に値する。
VAIO type Pは、薄型軽量でカバンへの収納しやすさなどで定評がある。オーナーメードでWiMAXを内蔵できる意義も大きい。加えてオーナーメードでSSDを選択すれば、より耐衝撃性能に優れた自分だけのモバイルパソコンが手に入る。軽さやサイズ、WiMAXによるインターネットへの接続性、SSDによる耐衝撃性を重視する場合は、VAIO type P(WiMAXモデル)は有力な選択肢となる。