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【ジャパンエキスポ 2009 #03】日本マンガを多数扱う大規模量販店

『NARUTO』900万部のフランスマンガ事情

2009年08月06日 09時00分更新

文● 聞き手=遠藤 諭、取材協力=エチエンヌ・バラール(Etienne Barral / SYSTEM B www.system-b.com)

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バンド・デシネコーナーの日本マンガ
フランスのマンガである「バンド・デシネ」コーナーの一部にも、日本のマンガが置かれはじめている。

―― バンド・デシネの売り場にもマンガが置かれているのですね。

フナック マンガコーナーで動きが悪くても、質の高いものだと思ってバンド・デシネの売り場に置いてみると、だいたいヒットしてしまうんですよ。ということで、日本のマンガファンでない人も読むようなマンガを置くようになっています。このあたりは客層が似てきているんですね。

―― 日本でも、文学性のあるマンガというんですか、大人の読むものは少し違う読者層になっていると思います。

フナック 現状、バンド・デシネの売り場と日本のマンガ売り場は、ちょっと離れた位置にありますが、わたし自身としては、マンガとバンドデシネはそんなに違いがないと思っているので、すぐ隣にあってもいいと思っています。

―― 『アンダーカレント』は、賞をもらったと書いてあるんですね。それから、松本大洋のハードカバーとか……。こうやってみると、たしかに親和性がありますね。日本人からすると、かなり意外なものまで訳されています。

フナック 少年マンガの領域に入らないものですね。

―― 吾妻ひでおの『地を這う魚』もありますが、これってどのくらい売れるのですか?

フナック 1ヵ月に3冊程度です。

―― たぶん、これより前の『失踪日記』は結構売れたんじゃないですか? 『地を這う魚』が、『はだしのゲン』や手塚治虫モノと、『聖おにいさん』と並んでいるのがすごい。

フナック やはり、マンガとバンド・デシネの売り場は隣のほうがよいかもしれません。

―― 一番売れているのは『NARUTO』ですか?

フナック NARUTO』は、この店舗だけで最新巻は1ヵ月で362冊出ています。『ワンピース』もだいたい同じくらい出ていますね。


谷口ジロー氏の講演会
取材した7月7日には、地下のイベントスペースで谷口ジロー氏の講演会が行われていた。

 今年3月にJETRO(日本貿易振興機構)がまとめた調査レポート『フランスを中心とする欧州におけるコンテンツ市場の実態2008-2009』によると、フランスにおける日本マンガの累計販売部数は、少年マンガでは『ドラゴンボール』が1900万部、『NARUTO』が約900万部、少女マンガでは『フルーツ・バスケット』が約200万部、『NANA』が約120万部とある。

 また、2008年の日本マンガの新刊出版点数は、1453タイトル。大方の予想を超える部数と出版点数だと思うが、実は日本マンガの販売部数の約50%を、上位のわずか12シリーズが占めているとも指摘されている。しかし、ジャパンエキスポ会場やフナックの売り場を見る限り、『NARUTO』や『NANA』の人気はもちろん凄いのだが、それ以外の作品の露出も増えているように思われる。出版点数の増加を市場の拡大が吸収しているとすると、どこかで均衡するのではないだろうか。

 しかし、現状では多く訳されている作家や出版社とそうでないものとの間には、明らかに偏りがあるようだ。日本のマンガに関する情報の流れや出版社の動き、フナックの担当者が試みているような売り場の変化もあり、フランスのマンガ市場はまだまだ変化していくようである。


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