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山谷剛史の「中国IT小話」 第51回

中国の果ての街のIT事情

2009年08月11日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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 徳欽は観光地だけに、観光客向けのホテルがいくつかある。いまどきの中国人観光客は、秘境に行く金銭的余裕のある中国人ならなおさらのこと、デジカメとノートパソコンは当たり前のように持っている。

ゲストハウスにはパソコンが当たり前のようにあり、使わせてくれるゲストハウスも

ゲストハウスにはパソコンが当たり前のようにあり、使わせてくれるゲストハウスも

ゲストハウスのパソコンに集まる子供。実は中国沿岸部の旅行者らの子供らが集まってゲームをしている

ゲストハウスのパソコンに集まる子供。実は中国沿岸部の旅行者らの子供らが集まってゲームをしている

 そこで宿泊者向けに無線LANでのインターネットを提供する観光客向けのホテル・安宿・ゲストハウスもいくつかあった。ネット環境といえば、地元の若者向けにネットカフェもあった。そこでの利用者は都市部の利用者と同様、チャットをし、ゲームをし、ビデオを見ていた。

左の緑の看板に、赤い文字でネットカフェと 書かれている

左の緑の看板に、赤い文字で「ネットカフェ」と書かれている

徳欽のネットカフェ

徳欽のネットカフェ

 徳欽では、日用品の買い物にしても家電の買い物にしてもそうだが、モノを選びさえしなければ取りあえず生活に必要な品物は一通り揃い、ネットもとりあえずできる。徳欽が平均的な集落の姿であれば、中国全土の多くの町で、基本的なモノやサービスが揃っているのではなかろうか。

家電よろず修理屋

家電よろず修理屋

文書印刷から写真印刷、コピーまで印刷絡みのあらゆる仕事を受け付けるビジネスセンター的な店も

文書印刷から写真印刷、コピーまで印刷絡みのあらゆる仕事を受け付けるビジネスセンター的な店も

 徳欽の町から周辺(といっても車で1時間程度はかかる)の集落に行くには、バスもあるが、むしろ普通の乗用車にお金を払って乗せてもらう、いわば白タクが一般的な移動手段だ。乗せてもらったついで、庶民的な暮らしを見ようと、お宅拝見をさせていただいた。

集落にある巨大な「免費送手机拉!」(無料でケータイを送ります!)の広告

集落にある巨大な「免費送手机拉!」(無料でケータイを送ります!)の広告

家電下郷の一環で、100元の電話代を前払いすることで 300元相当のケータイを送るという横断幕

家電下郷の一環で、100元の電話代を前払いすることで 300元相当のケータイを送るという横断幕

多くの家庭の上にテレビの電波を受信するパラボラアンテナがあった

多くの家庭の上にテレビの電波を受信するパラボラアンテナがあった

食堂を兼ねた民家には、冷蔵庫とテレビがあった

食堂を兼ねた民家には、冷蔵庫とテレビがあった

どの家にもテレビのところに、DVDプレーヤーとデジタルテレビチューナーがあった

どの家にもテレビのところに、DVDプレーヤーとデジタルテレビチューナーがあった

立派な大型テレビを置く 金持ちの家もある

立派な大型テレビを置く 金持ちの家もある

 貧しい家庭でもテレビとDVDプレーヤー、それに洗濯機がある。また集落ごとにやはり携帯電話関連の店があった。どんなに不便なところでも、今や中国ではこうしたものがあってしかるべきなのだ。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。最新著作は「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)

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