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インフラ&ネット技術の今と未来 第5回

IPネットワークの進化と課題

3年後にはIPv4アドレスが枯渇?

2009年11月24日 09時00分更新

文● 村上丈文、中野功一

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NGNとアプリケーション連携

 アプリケーション連携を謳ったNGNは、期待に反し低調である。しかし、周辺技術の成熟とニーズの高まりを背景に、3年後に進展が見られる可能性が高いのも事実だ。

 NTTのNGNはSIPベースの仕様しか公開されていないため、特定のプロトコルを介してしか連携できないように想像されるかもしれない。しかし、実際にアプリケーション連携を推進する核となるポリシーコントローラ製品は、SNMPやSOAP/XML、Webサービスなどアプリケーション開発者からも馴染みの深いインターフェイスを備える。そのため、こうした機能の仕様を積極的に公開することで、ユーザーの利便性は高まってくるだろう。前述の通り、ニーズの高まりもこれを後押しする。

 Amazon EC2やGoogle App Engine、セールスフォース・ドットコムのForce.comなどのようにSaaS、PaaSあるいはクラウドコンピューティングといったサービスが立ち上がってきており、ユーザー数も増えている。これらに共通しているのは、好きなときに好きなだけ使え、しかもダイナミックにリソースの使用量をコントロールできる点だ。こうしたサービスはオンラインサービスであるため、使用量が増えていくとネットワーク側のリソースも消費されていく。そのため、ある程度の帯域を確保しておかないと、ネットワーク側がボトルネックになる可能性もある。かといって、最大のニーズに対応できるように広帯域サービスを契約するのはコストの観点で現実的ではなく、ユーザーはネットワークにも弾力性を求めるようにもなってくるだろう。

 したがって、3年後にはクラウドコンピューティングサービスの利用状況と連動して、ネットワークの帯域をダイナミックにコントロールできる新しいサービスが登場してくる可能性がある。

(次ページ、「グリーンIT化」に続く)


 

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