「ATOK 2009 for Mac」の魅力を3回に分けてお伝えする本企画。前編に続く第2回(中編)では、文章の執筆を直接的にサポートするATOKの機能を中心に解説する。
ATOKが支持されるのにはワケがある!
ATOKが目指しているのは、単なるかな漢字変換にとどまらない総合的な日本語入力環境の実現だ。快適な日本語入力を実現し、ATOKの人気を支えるそれらの機能を、簡単にまとめよう。
文章作成の手間を
大幅に軽減する工夫
ATOKには、より効率的に日本語の文章を作成するためのサポート機能が多数搭載されている。
代表的なものが、「推測変換」と「省入力変換」。これらはいずれも、ユーザーがどんな文章を書こうとしているかを予測して、入力中に適切な候補を提案する仕組みだ。例えば、「よろしくお」まで入力すると「よろしくお願いします。」と表示されるため、ユーザーのタイピング数を大幅に減らせる。単純にかなを漢字に変換するだけではなく、ユーザーの入力を補佐するインテリジェントな入力環境を実現しているのだ。
また日本語入力ソフトでは通常、標準辞書に登録されていない語句をユーザー辞書に加えて変換効率を高めていくが、このためにいちいち専用ソフトを起動しなくてはならない。ATOKでも「ATOK単語登録」というソフトが用意されているが、それだけではない。例えば、「ロジ担」と入れたいので「ろじたん」を変換すると、最初は「炉時短」になってしまう。しかし、一度入力をキャンセルして「ろじ」をカタカナ変換、直後に「担当」と入れて「当」を削除すると、学習するか尋ねてくる。これが「訂正学習」。入力作業を妨げないため、非常にスムーズだ。
手間を減らすという意味では、定型文の入力補助機能にも注目したい。あらかじめ搭載されている文例を使い、時候のあいさつやよく使われるビジネス文章の表現などを簡単に入力できる。ワープロソフトのテンプレートなどと異なり、どんなソフト上でも即座に入力できる点が便利だ。
こうした文例が用意されていない場合でも、一度入力/変換した文章が学習されるため、最初の数文字を入力しただけで省入力候補として表示される。この変換学習は、入力頻度に応じて候補の並び方や出る順番が変わってくるので、ユーザーのクセが反映されていく。長く使えば使うほど、手になじんだ万年筆のように、手放せない道具となっていくのだ。
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