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アメリカ最大のオタクイベント「コミコン2009」レポート 第4回

コミコンのディーラーブースで見たサムライ魂!【3日目】

2009年08月04日 21時30分更新

文● ゴリラ

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関係者に現場の声を聞く

 現場ではいったい今何が起きているのだろうと、コミコンに参加し始めてはや5年目、L.A.はリトルトーキョーにこの店あり! 誕生して9年という、アメリカのジャパンっ子たちには絶対ハズせない「JUNGLE SPECIAL COLLECTORS SHOP」のTetsu氏にコミコン、そして現在のアメリカにおけるアニメ、MANGA、そして日本のオタクカルチャーについて現場の声を伺った。

 お話を聞いて興味深かったのが、そもそも日本のアニメやMANGA、さらにはJ-POPが広がり始めたというその経緯だ。

不況をチャンスに!


 「なんのカルチャーでもそうですが、このムーブメント自体も昨日今日始まったわけではありません。長い年月を経て、それこそ古くはピンクレディがアメリカに早すぎる上陸をし、戦隊モノや特撮モノなどが少しづつアメリカに輸入されてきました。そういった先人たちの土壌の上に、今のジャパニメーション、MANGAがやってきたのです。

 アメリカの若者たちは、まずテレビでやっているアニメを見る。そしてそのアニメにハマる。今度はそこでかかっている音楽に興味を持つ。「この主題歌はなんだ!? 誰だ!?」と。そうしてJ-POPや、J-ROCK、いわゆるヴィジュアル系に辿りつき、そのバンドにハマる。その後は日本のファン、そして多くの音楽シーンがそうであるように、その音楽の持つファッションに辿り着く。

 こういった流れで、アメリカの若者たちの間でJAPANカルチャーは少しづつだが、確実に浸透し始めている。現在アメリカを始めとする大不況の煽りはアニメ、MANGA業界にも影響しているのは事実ですが、そんな時だからこそ、今がチャンスなんですよ」

 結局コアなファンというのは、どんなジャンルにせよ、欲しいモノはその日のメシを抜いてでもコレクトします。不況で苦しいとはいえ、確実にファンたちはそこに「良いモノ」があればなんとしてでもゲットしにくるんです。だからこそ大事なのは、ファンの声に耳を傾け「良いコンテンツ」や「良いモノ」を創り、それを届けるということ。まずビジネスを考えるのではなく、何が「良いモノ」なのかを考えるのが大事なんです」

 この話は、2日目のカルトジャムの平井氏の話にモロにリンクしていたのがとても印象的だった。コンテンツを生む側とそれを届ける側にブレが無いと実感し、胸が焦げるほど熱いものがこみ上げてきた。

 そんなTetsu氏が、何故5年前からコミコンに出店するようになったのか。


「それはコミコンが、全米のあらゆるオタクカルチャーにおいて一番ボーダーレスな祭典だからです。実際全米で1番デカいアニメフェス「ANIME EXPO」にも出店していますが、そこではウチのお店は結構人気なんですよ。でもそれは、日本から来た日本人が経営するお店なのだから、そうなって当たり前なんですね。ありがたい話ですが、素直には喜べません。

 やはり、コミコンというアメコミ、映画、ゲームなどなど、あらゆるアメリカのオタクカルチャーがボーダーレスに集うこの現場で認められてこそ、初めてアメリカ人に受け入れられたということなんだと思います」

 アメリカのオタクたちにとって、我々の住む日本は1番の憧れの地。まさにメッカなのだ。その昔、日本はアメリカに憧れ、何もかもが「本場アメリカ」だった。それから月日が流れ、「エンターティメントの本場アメリカ」が憧れるのが「日本」なのだ。少なくとも、アメリカ最大のオタクの祭典「コミコン」でその種は蒔かれ、少しづつだが息吹をあげようとしている。熱き日本人たちの手によって。

 「JUNGLE SPECIAL COLLECTORS SHOP」は、現在本店が東京の日本橋、そしてアメリカはL.A.のリトルトーキョーにアニメ、特撮を中心とした1号店と、J-POP、ビジュアル系、ゴスロリを扱う2号店がある。店長のTetsu氏は、とても気さくな方だし、お店の品揃えもかなり充実しているので、L.A.に訪れる際は是非足を運んでみよう!

アイアンマン勢揃いのマーベルブース

 本日も大盛況なマーベルのブース。今年は「アイアンマン2」が劇場公開なので、アイアンマン大プッシュ! ブース内にいる綺麗なお姉さん(下の写真)は、主人公アイアンマンことトニー・スターク社長の美人秘書さんたちだった! 声をかけると「スタークス社」のオリジナルパスカードをくれます。もちろんタダ! う~ん、お姉さんとの恋のパスも頂きたいところだ。

 そんな下心をふくらませていると、本日も終了の時間がやってきてた。40回目のコミコンも3日が終了し、いよいよ残すところ最終日のみとなる。

(次ページへ続く)

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