軽量化にはトレードオフもあり
とはいえ、薄型化・軽量化のトレードオフも多い。例えば、メモリーはオンボードの1GBのみ。分解してみたわけではないので断言はできないが、基本的に増設はできない。内蔵のストレージである32GBのSSDも、分解しないかぎり交換は不可能だ。
バッテリー駆動時間は、カタログスペックで約4時間。しかも他機種と違い、大容量バッテリーは用意されていないので、これが「最大」である。その理由は、バッテリーが本体手前のパームレスト下に配置されているためだ。使用しているのは、薄型軽量のリチウムポリマー充電池。容量も1800mAhと、さほど大きくない。バッテリーを犠牲にして薄型化した製品、といってもいいだろう。実際の動作時間は後述するが、長時間のモバイル利用を前提とするなら、少々物足りない。
他方、バッテリーがパームレストの下にあることには、薄型化以外のメリットもある。他のネットブックと同様に、C204A5も発熱は大きめだ。常に最大負荷に近く発熱し続け、もっとも熱い底面部分では38度以上にまで達する。しかし、タッチパッド部に発熱はほとんどみられない。そのため、発熱による不快感はほとんどない。タッチパッドの下にはバッテリーしかなく、熱源がほとんどないためだろう。
各部の温度 放射温度計による測定、外気温は27℃。フルパワー時のデータはH.264の動画再生時に計測 | ||||
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パームレスト | 底面の最大発熱部 | キーボード左側 | キーボード右側 | |
アイドル時 | 約30度 | 約37度 | 約36度 | 約31度 |
フルパワー時 | 約30度 | 約39度 | 約38度 | 約31度 |
もうひとつのトレードオフが、内蔵端子の少なさだ。本体には有線LAN端子や外部ディスプレー出力がない。この2つについては、標準添付のUSB接続型「VGA/LANアダプター」で対処する。アダプターを接続した状態でデバイスマネージャーのリストを見ると、当然ながら、これらのデバイスは「USB接続の外部機器」という扱いになっている。パフォーマンス面で若干不利だし、なによりかさばる。とはいえこちらは、軽さを重視したゆえのトレードオフと考えれば、我慢できないというわけではないだろう。
ACアダプターはかなり小振りだ。コンセントへのコネクター部が一体化した、パソコン用ACアダプターとしては珍しい形状のもので、小さい割にかさばるのが弱点である。ただし、コネクター部は着脱式で、向きを90度変えられるようになっており、コンセントやタップなどに刺しやすい構造になっている。
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