3ステップで実行する「大改革」
大改革の戦略は、「ローカルにアプリやファイルを置かない」という極めてシンプルな考え方だ。具体的には、以下の3点に集約できる。
アプリの多くをウェブサービスに頼ることで、ソフトをインストールする手間が減らせる。また、データもネットワーク上に置くので、マシンが増えてもいちいちコピーする必要がない。同期や移行の際にのしかかっていたストレスから解き放たれるというわけだ。
筆者的な「次世代」環境のコンセプトも決まったので、まずはパソコンから「戦略的衝動買い」することにした。先ほど挙げた3台のモバイルパソコンをすべて売却し、そのお金でメインマシンとして「ThinkPad X200s」を注文することにした。ケータイは当面、Blackberryのみで使う予定だ。
パソコンとザウルス、パソコンとPalmなど、筆者は過去にクライアント同士のデータ同期で苦い体験をしてきた。もはやそうしたローカルでの同期は過去のもので、パソコンやスマートフォンといったクライアントは、公開されたサーバー(クラウド)とリンクさせるだけでシンプルかつ便利にデータを同期できる時代が来ている。
こうした環境を整えてしまえば、ネットにつなげるクライアントはいくら導入してもそこまで苦労はしないだろう。そこで個人的な趣味から、サッと調べものをしたりメールを打つためのサブマシンとして、Eee PC 1000HEも導入してみた。
1.NASを導入
機材も揃えたところで着手したのが、自宅サーバー(NAS)へのデータ統合だ。
NASには、音楽や写真、過去の膨大なプレゼンテーション資料、文書といったファイルを置いておく。一ヵ所にまとめておくことで、どのクライアントからアクセスしても同じ操作環境を実現できるわけだ。家族全員でシェアしたい、デジカメ写真や音楽を置く用途にもピッタリだろう。
従来からNASは導入していたが、ファイルの管理方法が曖昧だった。一部のファイルをクライアントPCにバックアップするといった曖昧な行為は止めて、必ずNASに保存するという方針に決めた。
筆者が自宅に初めてNASもどきの大容量HDDを導入してから10年以上が経つ。昨今では、さまざまな機能やサービスを提供してくれるNASが1万円台から購入できるようになった。例えば、あらかじめ設定しておくことで、出張先のホテルからでも自宅のLAN環境と同様にファイルにアクセスが可能だ。
NASは一度パワーオンしたらほとんど電源を落とさず、物陰でひっそりと働き続けるという機器だ。ホームLANユーザの場合、一度使い始めると壊れるまで買い換えない「あって当たり前、存在を忘れてしまう素晴らしい商品」である。
ただ、そうした機器に貴重なデータをまとめて保存しておくと、万が一、HDDがクラッシュしたときに目も当てられない状況になる。理想を言えば、定期的に別のNASに全バックアップを取ることが精神安定上でもいいと言えるが、こういう「心配の連鎖」は限りなく続くので割り切りも肝心だ。
NASは、すでに安定したテクノロジーで各社の技術格差もそれほど大きくないが、購入導入時は出来る限り最新の製品を購入することをお薦めしたい。
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