メインマシンはあるけど、それを補うサブノートが欲しい──。そんなニーズにぴったりなのがミニノートだろう。なんと言っても普通のノートに比べて安価なのはかなり魅力的だ。メインマシンがある場所以外にもパソコンを連れていければ、便利なシチュエーションは何かと多いのだ。
とはいえ、そんな「2台持ち生活」を始めると、すぐにパソコンのセットアップやデータの同期方法で頭を悩ませることになる。メインとサブでどんなソフトを使い分けて、どういったデータを同期しておくのか。あらかじめ運用方法を考えておけばいいのは分かるが、何となく面倒だ。
ということで、今回の記事では、当サイトの連載「T教授の『戦略的衝動買い』」でお馴染みのT教授に、ミニノートのセットアップ術をまとめてもらった。聞けばT教授は最近、複数台のパソコンとケータイを管理するポリシーを大きく変えたという。キーワードとなるのは「クラウド」だ。
実際にミニノートとして「Eee PC 1000 HE」を導入して、セットアップした内容とその感想を語っていく。T教授は出張が多く、日本中を飛び回っている方なので、同じ境遇の方は参考にしてほしい(編集H)。
今まで20台以上のパソコンを買ってきた
筆者がモバイルコンピューティングを始めたのは20年近く前。まだラップトップPCの重量が数kgはあった時代だ。たった300bpsでしか通信できない内蔵モデムをホテルの電話コネクターにつなぎ、ACアダプターが必須だったラップトップからメールを送ったことを今でも覚えている。
そこから7.2〜21Mbpsの高速無線通信を介して、わずか1Kgの小さなモバイルPCでフルアプリケーションを活用できるようになるまで、本当にアッと言う間だった。
この20年間で、自分のために自分で購入したパソコンは20台は下らないだろう。ここ1年ほどを見ても「ThinkPad X300」「MacBook Air」「VAIO type P」の3台を同時に所有していた。
一方でケータイを見てみると、複数台持ちではなく、「Nokia E90」「iPhone3G」「Blackberry」と次々と買い換えている。ケータイは電話を受ける可能性があるため、複数台を持ち歩いてマメに管理するというのはパソコンに比べて手間がかかる。
そのため、筆者のような不精かつガジェット好きの場合は、どうしても複数のパソコンを同時に所有し、ケータイはどんどん買い換えるというパターンになってしまう。
新パソコンの導入で時間を損していないか?
もちろん、パソコンの複数台持ちもガジェット的には楽しい反面、面倒なことも多い。その代表格がデータの同期だろう。
メールひとつ取ってみても、今までのようにローカル側に保存しつつ、完全に同期を取ろうとすると何らかの設定が必要になる。何の疑いもなく「Outlook」を使ってきた筆者だが、手持ちのパソコンすべてで同じメッセージを受信/返信できる環境を整えるというのは、まず設定からして面倒だ。
パソコンを買ったときのデータ移行にも手間がかかる。過去を振り返ってみれば、筆者はパソコンを新しく手に入れた際、「何か移行し忘れているものはないか」と常に2日ほど新旧マシンを並行して使っていた。
一方、自分の家族を見てみれば、無料のウェブサービスを好んで使っていて、パソコンを買い替えてもすべてのデータを移行するのに1時間程度で済ませている。
パソコンに詳しい人の中には、お金をかけてクライアントアプリを購入し、ローカルPCのストレージを区画整理して、段々畑の様にきちっと管理している方も多いはず。しかしそんなユーザーほど、乗り換え時の余分な作業量が圧倒的で、新機種でのスタートアップが確実に遅れる傾向にある。
これは損をしているのではないだろうか? そんな疑問から1ヵ月。ダメなおつむをフル回転させて、ここらで時流に乗った「大改革」をしようと考えてみた。
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