このページの本文へ

世界初の裸眼3DカメラFinePix REAL 3D W1を試す

2009年07月31日 16時00分更新

文● 行正和義

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
3D表示可能なビューワー「V1」。液晶右側に青く光るボタンは操作している間だけ光るタッチタイプのもので、普段は黒い光沢感のある高級感あふれるものとなっている

3D表示可能なビューワー「V1」。液晶右側に青く光るボタンは操作している間だけ光るタッチタイプのもので、普段は黒い光沢感のある高級感あふれるものとなっている

3D表示可能なフォトフレームもセットで

 今回の製品はデジタルカメラであるW1だけで構成されるものではない。液晶ビューワーの「FinePix REAL V1」や、同社DPEサービス「FUJIFILM 3D プリント」が用意されており、これらを併せて「FinePix REAL 3D System」と呼称する。

1本のアームを背面にはめ込んで使う。縦置き/横置き両用のアームスタンドで、縦置き表示も設定可能。ただし、液晶の偏光角は横方向のみなので3D表示は横置きのみとなる。右側面のカードスロットはSD/xD共用だ

1本のアームを背面にはめ込んで使う。縦置き/横置き両用のアームスタンドで、縦置き表示も設定可能。ただし、液晶の偏光角は横方向のみなので3D表示は横置きのみとなる。右側面のカードスロットはSD/xD共用だ

背面下側にコネクターが用意され、付属ACアダプター用DC入力、アップストリーム/ダウンストリームそれぞれのUSB端子が並ぶほか、赤外線受光ポートも用意される。背面中央にはネジ穴もあり、カメラ用三脚を利用できる

背面下側にコネクターが用意され、付属ACアダプター用DC入力、アップストリーム/ダウンストリームそれぞれのUSB端子が並ぶほか、赤外線受光ポートも用意される。背面中央にはネジ穴もあり、カメラ用三脚を利用できる

 3D表示が可能なフォトフレームと言うべきものが「FinePix REAL V1」だ。搭載する8インチ液晶パネル(800×600ドット、3D表示時は400×600ドット)には偏光フィルターを用いて左右の目に別々の映像が届く方式を採用しているため、真正面からでなくても立体に見えるのが特徴だ。

V1での3D表示再生を撮影してみた。交差法で裸眼立体視すれば立体に見えるはずだが、真正面でなくても立体視できることに注目

V1での3D表示再生を撮影してみた。交差法で裸眼立体視すれば立体に見えるはずだが、真正面でなくても立体視できることに注目

 xD/SDメモリーカードスロット上の画像だけでなく、赤外線通信やUSB接続でパソコンやデジタルカメラから内蔵メモリーに転送した静止画・動画を再生でき、BGM付きスライドショーや、時計・カレンダー表示など機能的には一般的なデジタルフォトフレームとなんら変わりない。

V1のメニューも3D表示を除けば一般的なフォトフレームと変わりない。W1同様に視差量の補正を行なえるのは便利

V1のメニューも3D表示を除けば一般的なフォトフレームと変わりない。W1同様に視差量の補正を行なえるのは便利

 付属リモコンのほか、本体外周フレーム部には触ると青く光るタッチセンサーが配置されており、3D/2D表示の切り替えや視差量の調整などの各種操作が行なえる。液晶の明るさやコントラストはなかなかのもので、上や下から見ても輝度の反転が少ないため、縦位置に置いて使ってもよさそうだ(ただし3D表示は横位置のみ)。

 2Dフォトフレームとしては画質や表示機能など、使い勝手の良い1台と言えるのだが、実際に3D表示を行なってみるとやや不満に感じるところもある。例えば偏光フィルターによって真正面でなくても3D表示ができるとはいえ、立体感が得られるのは液晶面から約60cm前後という距離の制限があり、それよりも距離が開くとモアレ状のノイズが見えてしまう。

 また、左右から見てもある程度3Dに見えるものの、角度によっては立体に見えなかったり、立体感が逆に(左右に届く画像が逆に)なったりする。このため、フォトフレームとして机や棚に置いておけば部屋のどこからでも3D表示がきれいに見えるというわけにはいかない。

 さらに、撮影した3D画像は被写体との距離などで視差量がまちまちなので、スライドショーで切り替えながら見ると、視点が近い画像や遠い画像が混在し、単に表示させていてもそれを見るだけで目が疲れる。見る角度や距離が一定のW1に比べると、V1は3D表示の見え方ではやや不満が残ってしまう。

 普段から3D画像を表示させておくというよりは、普段は2D画像用のフォトフレームとして飾っておいて、たまにW1で撮影した3D画像を楽しむ、という使い方が良さそうだ。

 なお、今回は試していないのだが、同社では紙焼き写真でも立体に見えるプリントサービス「FUJIFULM 3Dプリント」も開始する。レンチキュラーレンズのしくみで飛び出すプリントなわけだが、簡単に楽しめて配ることもできるのは楽しそうだ。

富士フイルムの3Dプリントサービス見本。2L/KGサイズで、1枚当たり500円程度で、写真店だけでなくネットプリントも行なわれる

富士フイルムの3Dプリントサービス見本。2L/KGサイズで、1枚当たり500円程度で、写真店だけでなくネットプリントも行なわれる

サンプルを拡大撮影したもの。3Dプリントはレンチキュラーレンズが上に貼り付けられたもので、レンズによる縦縞が目立つものの、きちんと立体に見える

サンプルを拡大撮影したもの。3Dプリントはレンチキュラーレンズが上に貼り付けられたもので、レンズによる縦縞が目立つものの、きちんと立体に見える

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン