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コスト削減100本ノック 第10回

プリント環境を見直せばオフィス快適!

【10本目】今どきビジネスプリンターはコスト↓↓で効率↑↑

2009年07月29日 09時01分更新

文● 行正和義

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  • 本文印刷

その2――コストを掛けなくても
用紙とインクのムダを減らせる!

 印刷頻度を抑えても、まったく印刷しないわけにはいかない。そこでプリントアウト1枚あたりのコストを下げる工夫も必要となる。まず基本は両面印刷。最近のオフィス用のページプリンターでは両面印刷機構が標準搭載されるものが増えているほか、小規模オフィス向けのインクジェット機でも標準的な装備になっている。

割り付け印刷をもっと多用しよう。1ページ16枚といったレイアウトでは豆本のようになって実用的ではないものの、1ページ2~4枚程度であれば普通に読める

 プリンタードライバーの機能を使いこなすなら、縮小割り付け印刷も使わない手はない。1ページ内に2/4/6枚程度を配置するもので、もちろん縮小印刷されるのだが、A4縦1枚→A4横2枚の割り付け程度であれば十分読める。上司や他社に提出する正式な文書には向かないが、地図や住所など一時的な要件をメモ代わりにプリントアウトする程度であれば十分だし、2枚に折り畳んで持ち出せるので携帯性もよくなる。

Satera LBP9600C

キヤノンの最新LBPには、社内配布するプリンタードライバーのデフォルト設定が変更可能な「Canon Driver Configuration Tool」が付属する。写真はA3対応カラーLBP「Satera LBP9600C」

 多くのプリンタードライバーには、「エコモード」と呼ばれるトナーやインクの消費を抑える機能が付いている。印刷は若干薄くなるが、縮小印刷と同様に十分実用になるので、社内回覧の文書などではデフォルト設定にするといいだろう。

 最近はカラープリンターの高速化にともなって、カラー・モノクロのプリンター2台を併用するのではなく、カラー機1台で済ませるといったケースも増えてきた。モノクロでもこと足りる書類をカラーでプリントアウトしてしまう、といった細かな無駄を省くのもトナー消費を抑える重要なポイントだ。

 キヤノンが行なっている試みのひとつとして、プリンタードライバーをカスタマイズした状態で社内サーバーから配布することでプリンター利用をあらかじめ制限できるようになっている。「カラー印刷の禁止」だけでなく、エコモード印刷、すかし印刷などもカスタマイズ可能なので、セキュリティー面からも社内でルールを統一して使うのに便利だ。


その3――エコ印刷ユーティリティーを導入して
省トナー/省インク印刷を徹底!

 各社標準のプリンタードライバーだけでなく、サードパーティー(プリンターメーカー以外)が用意する印刷ユーティリティーを使うことで、印刷コストを大幅に下げることも可能だ。コスト抑制向け印刷ユーティリティーの機能としては、

  • インク/トナーの使用量を少なくしての印刷
  • 複数ページの割り付け印刷
  • 不要ページ(部分)の削除

などが主なものだ。インク/トナーを減らす印刷に関しては先に挙げたように標準のプリンタードライバーでも対応するものが多いが、ユーティリティーソフトではより細かくインク/トナーの濃度を調整できるのが特徴だ。ただし、極端に薄くすると読みにくくなって実用には供さないばかりか、無駄な印刷(用紙)を繰り返してしまうことになるので注意が必要だ。

インクやトナーの使用量をパーセント刻みで細かく指定できるため、可読性と節約の妥協点を自由に設定できるのが特徴だ

エコ印刷ユーティリティーソフト
製品名 LBプリントセーバー Eco2 節約プリントPro
節約プリント
Toner Cutter&Paper Saver
同 Pro
エコぷりんと2 インク&トナーセーバー
同 インク&ペーパーセーバー
同 Pro インク&ペーパーセーバー
メーカー ライフボート ジャングル TCBテック アクティブ・ウェーブ
価格 9975円 7140円/3980円 5000円(ボリュームライセンスあり)/5000円(同) 4750円/6090円/7140円
機能概要 ライフボート
公式サイト
ジャングル
公式サイト
TCBテック
公式サイト
アクティブ・ウェーブ
公式サイト
体験版 LBプリントセーバー Eco2体験版 節約プリントPro体験版(12月中旬配布予定) トナー・カッター体験版 エコぷりんと2体験版

 割り付け印刷だけでなく、印刷ユーティリティーを使って便利なのが“不要ページの削除”機能だ。これらを併用して画面上で割り付けレイアウトを確認し、印刷不要なページを個別に指定できるので重宝する。

印刷レイアウト

画面上でレイアウト表示して、印刷するページを選択・削除できる。例えば、Wordなどで「2-4」といったページ番号の指定を行なうよりも、効率的に不要ページを省いて印刷できる

 例えばPDFファイルのマニュアルをじっくり読み込むために出力するケースでは、ついつい一気に全ページ印刷してしまいがちだ。しかし、実際には目次や扉ページなど、情報としては不要なページもかなり混じっているもの。Adobe Reader(PDFビューアー)で閲覧しながら印刷ページを個別に指定するのは面倒なので、画面上で一覧して明らかに不要なページだけを削除して印刷できるのはありがたい。

IEで印刷指定した印刷レイアウト

単にIEで印刷指定した印刷レイアウトの確認画面。バナーやサイドバーなども印刷されるため、インクや紙の無駄が少なくない

 実際によくプリントアウトするものとして、出張時や訪問先の会社への地図、電車の経路といった、ちょっとしたメモ代わりの用途も多いはず。しかし、単純にIEやFirefoxなどから印刷実行すると、バナーや周辺のメニュー部分まで印刷されてしまう。

 そんな場合も印刷ユーティリティーを使うと、レイアウト表示で必要な個所だけを選択して印刷できる。HPが無償配布しているユーティリティーソフト「HP Smart Web Printing」では、Webページにレイアウトされた各種情報を新聞のキリヌキのようにクロップし、並べて1枚に印刷できるため用紙のムダを最小限に抑えられる。

HP Smart Web Printing

HP Smart Web Printing(無料)をPCにインストールすると、Webブラウザーの左に専用ツール「クリップブック」が表示される。ここで「選択」するとブラウザー画面を矩形でクロップできる

HP Smart Web Printing

同じく印刷レイアウトの確認画面。サイドバーを除いた部分を印刷した。複数のクロップを1枚に並べて印刷もできるので、無駄がないだけでなく見やすくレイアウトできる

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