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Windows 7を安価に入手する方法(ただし法人のみ)

2009年07月27日 22時01分更新

文● ビジネス・ソリューション編集部

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 マイクロソフトは、企業においてもWindows 7の早期普及に本腰だ。Windows Vista発売時にはなかった企業向け先行割引などを実施して、Windows XPからの乗り換えを促進する。7月22日に米国で開発完了がアナウンスされたWindows 7。同OSは企業でWindows XPをリプレースできるのだろうか?


いまだに使い続けられるWindows XP

 企業におけるクライアントOSはいまだにWindows XPが主流だ。Forester Researchが2008年6月に実施したワールドワイドの調査では、82.6%がWindows XPを使用。Windows Vistaは8.3%に止まっている。国内でもその状況は変わらず、コンサル会社ITRの調査では79.9%のWindows XPに対して、Windows Vistaは9.7%となっている。

 一方でWindows XPそのものの販売は終了しており、メインストリームサポートも4月14日に打ち切られた。延長サポートは米国時間の2014年4月8日まで提供されるが、ダウングレード権の購入といった形でしかライセンスを得られない状況となっており、環境の統一という観点でもそろそろ入れ替えのタイミングが迫っている。

 マイクロソフトによると、法人市場で現在用いられているパソコンの約50%はWindows 7にアップグレード可能な状況とのことで、同社としても積極的にOSのアップグレードを進めさせたい考えのようだ。


企業ユーザー向けの2つのエディション

 マイクロソフトが企業向けに提供するWindows 7のエディションは「Windows 7 Professional」と「Windows 7 Enterprise」の2種類。Professionalは一般向けにも販売されるが、企業向けではボリュームライセンスまたは、プレインストールの形態で提供する。

 Windows 7 Enterpriseは、Professionalの完全な上位互換にあたり、DirectAccessやBitLocker To Go、AppLocker、BranchCache、統合検索といった機能が追加されているほか、Microsoft Desktop Optimization Packの利用契約を得ることも可能。

 提供形態は基本的にアップグレードのみ。ボリュームライセンスを購入し、かつマイクロソフトが提供するサポートプログラム「ソフトウェアアシュアランス」に加入していることが条件となる。


ボリュームライセンスの販売は9月1日から

 10月22日に一般向けの販売が開始されるWindows 7だが、企業向けのボリュームライセンスは、既存OSからのアップグレード版という形で、それよりも早い9月1日から販売される。

 また同日から「法人向け早期アップグレード割引キャンペーン」を実施。Windows XP ProfessionalまたはWindows Vista Bussinessのユーザーが対象で、通常2万2600円程度かかるWindows 7 Professionalへのアップグレードライセンスを、1万9800円で購入できる(有償のインストールディスクとインストールマニュアルも特典として付属)。

 なお、8月1日時点でソフトウェアアシュアランス(またはエンタープライズアグリーメント)に契約しているユーザーは、自動的にWindows 7の利用権を取得できる。8月7日からはVLSC(Volume License Service Center)、MSDN、TechNetなどで英語版のWindows 7をダウンロード可能だ。日本語版の提供も8月末には可能になる見込みだという。さらに、9月1日からは有償でインストールディスクも入手できる(参考価格3000円)。


Windows 7を最もお買い得に手に入れる方法

 ちなみに、既存のOSからWindows 7に移行する最もお得な方法と言えそうなのが、今すぐにWindows Vistaのソフトウェアアシュアランスを購入し、そのままWindows 7 Enterpriseにアップグレードする方法だ。ソフトウェアアシュアランスに入って1年以内であれば、無償でWindows 7 Enterpriseの環境を得られる。

 現在マイクロソフトは「法人向けWindows 7 先行優待キャンペーン」を実施している。このキャンペーンを利用すると、新規または2008年8月1日以降にWindows Vista Bussiness(またはダウングレードWindows XP Professional)搭載したパソコンを購入したユーザーは、1万2000円の優待価格でソフトウェアアシュアランスを購入可能。

 また、2008年7月31日以前に両OS搭載のパソコンを購入した場合でも20%割引が得られるので、アップグレード権込みで合計2万8500円に抑えられる。

 もし将来的にWindows 7を導入する予定があり、パソコンの入れ替えも検討しているなら、このキャンペーンを利用し、Windows 7 Enterpriseへのアップグレードを利用する手もあるだろう。

 マイクロソフト コマーシャルWindows本部 本部長の中川哲氏は27日に行われた会見で、記者たちの質問に対して「Vistaのときはこうしたプロモーションは行わなかった」とコメント。早期割引の制度などを利用して、企業においてもWindows 7の普及に弾みを付けたいとした。

 ソフトウェアアシュアランスは、3台のPCから導入できることもあり、大企業での導入に限らず、SOHOやSMB(場合によっては個人事務所)での利用でも活用できる。Windows 7の導入を考えているなら、検討してみるべきだろう。

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