要素を指定するためのセレクターAPI
jQueryを利用したスクリプトでは、(1)どの(X)HTMLの要素を操作するかをセレクターで指定し、(2)処理の内容を書きます。具体的には、$("...")の内側にセレクターを記述し、その後ろに .(ドット) でjQueryの命令を記述していきます。jQueryは、ほぼすべてこの形式で処理を書きます。
$(function(){
$("セレクター").jQueryの命令
})
jQueryには「セレクターAPI」という機能が用意されており、簡単かつ柔軟な方法で目的の(X)HTML要素を指定できるようになっています。jQueryで使えるセレクターを一通り紹介しましょう。
jQueryで使えるセレクター
1.CSSでよく利用されるセレクター
jQueryでは、CSSでおなじみの要素セレクターやIDセレクター、クラスセレクターから、子孫セレクター、ユニバーサルセレクター、セレクターのグルーピングまで、さまざまなセレクターが利用できます。
■要素セレクター
特定の(X)HTML要素に対して命令を実行する際には、要素セレクターを利用します。サンプルスクリプトのcss("color","red")は、「CSSのcolorプロパティの値をredに変更する」というjQueryの命令です(jQueryの命令については次回、詳しく説明します)。
▼サンプルコード(HTML部分)
<ul>
<li>テキストテキストテキストテキストテキスト</li>
<li>テキストテキストテキストテキストテキスト</li>
<li>テキストテキストテキストテキストテキスト</li>
<li>テキストテキストテキストテキストテキスト</li>
</ul>
▼サンプルコード(スクリプト部分)
$(function(){
$("li").css("color","red");
})
▼実行結果(実際のWebページ)
li要素のCSSのcolorプロパティが変更され、赤色で表示されます。
■IDセレクター
文書にある要素を丸ごとではなく、特定のid属性を持つ要素に命令を実行します。id属性の値に#(ハッシュ)を付けたものをセレクターとして利用します。
▼サンプルコード(HTML部分)
<ul>
<li id="first">テキストテキストテキストテキストテキスト</li>
<li id="second">テキストテキストテキストテキストテキスト</li>
<li id="third">テキストテキストテキストテキストテキスト</li>
<li id="fourth">テキストテキストテキストテキストテキスト</li>
</ul>
▼サンプルコード(スクリプト部分)
$(function(){
$("#first").css("color","red");
})
▼実行結果(実際のWebページ)
id属性にfirstが設定されたli要素(最初のli要素)が赤色になります。
IDだけでどの要素なのか特定できますが、どの要素名なのか分かりやすくするために、要素セレクターとIDセレクターをつなげても指定できます。
$(function(){
$("li#first").css("color","red");
})
■クラスセレクター
特定のclass属性を持つ要素に対して命令を実行します。class属性の値に.(ドット)を付けたものをセレクターとして利用します。
▼サンプルコード(HTML部分)
<ul>
<li class="first">テキストテキストテキストテキストテキスト</li>
<li class="second">テキストテキストテキストテキストテキスト</li>
<li class="third">テキストテキストテキストテキストテキスト</li>
<li class="fourth">テキストテキストテキストテキストテキスト</li>
</ul>
▼サンプルコード(スクリプト部分)
$(function(){
$(".second").css("color","red");
})
▼実行結果(実際のWebページ)
class属性にsecondが設定されたli要素(2番目のli要素)が赤色になります。
IDセレクターと同様に、要素セレクターとクラスセレクターをつなげても書けます。
$(function(){
$("li.second").css("color","red");
})
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