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四本淑三の「テレビを捨てよ、動画サイトを観よう」 第9回

ロックバンドからニコ動にシフトした、キャプミラPの生き様

2009年07月26日 12時00分更新

文● 四本淑三

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昔ロックやってたヤツが今ボーカロイド

―― どちらもバリバリのライブバンドですが、そこからボーカロイドへシフトしたのは?

キャプミラP バンドをやっていた頃の古い知り合いのHPを久しぶりに覗いたら、ボーカロイドで曲を作っていたんですよ。


―― へえーっ、そうなんですか。

キャプミラP なぜボーカロイドで?って最初は違和感があったんですけど、聴いてみたら良かったんです。彼がやっていた音楽をそのままやっているだけ。ああ、変わってないなと。これなら僕もやるぞ、ということでその日のうちにボーカロイドを買いに行きました。


―― ってことはボーカロイドは割と最近から?

キャプミラP 曲自体は去年の4月くらいからですね。


―― 「幻想論」シリーズ1ですね。あれが初投稿だったんですか?

キャプミラP はい。それをきっかけに他の曲をいろいろ聴いてみたんですけど、面白いんですよね、ボーカロイドの世界。

※1幻想論:CDアルバム「幻想論」としてリリース済み。現在品切れ中だが「次回のボーカロイドマスターに合わせて再プレスするかも知れません」(本人談)。


―― その中でもキャプミラPは明らかに音の作りが違う。それは言葉の比重の高さだと思うんです。

キャプミラP 小6の頃に従兄弟からハルメンズを聴かせてもらって、アンダーグラウンド系のロックにはまったんです。歌詞は友部正人原マスミあがた森魚なんかの影響は強いと思いますね。


―― ある意味ジャパニーズパンクの王道ですね。でも幻想論の頃は、その辺が音としてストレートには出ていなかった。

キャプミラP 幻想論は生音を使わない縛りで作ったんです。そのせいかも知れません。


―― 幻想論を投稿した後の印象は?

キャプミラP 衝撃でした。僕みたいな「ポッと出」なんか、最初は全然再生されません。それでも何千という人が聴いてくれるし、何百というコメントが付く。


―― ただネット越しでダイレクトさが薄いとか、不満を感じたりしませんか?

キャプミラP でも不特定多数に届けるという意味ではそんなに変わらない気がしています。


―― なるほど。ネットだとライブハウスに来ないような人まで聴きますからね。

キャプミラP ニコニコ動画だと「○○に聴こえる、似てる」みたいなコメントが付くんですよ。それが予想もしない、全然若い世代の音に例えられている。ライブハウスだったらそんな意見は出てこないんです。分かってる人しか見に来ないから。でも予備知識も何もない人が大勢聴いて、いろんなことを言ってくれる。それが参考になるし、面白いんです。

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