日本ヒューレット・パッカードが2009年4月に発表した「HP Pavilion Notebook PC dv2」(以下dv2)は、ネットブックよりやや上の7万円台で、AMDの低価格ノート向けプラットフォーム「Yukon」を採用して高いパフォーマンスをうたい、評判となった。
そのdv2が2009年秋モデルで、大きくパワーアップして新登場した。高い実用性で評価されたdv2の新モデル、いったいどのように変わったのだろうか。
デュアルコアCPU「Turion Neo X2」を採用
夏モデルまでのdv2は、ネットブックより広く高解像度な12.1型ワイド/1280×800ドットのディスプレーと、Yukonプラットフォーム(Athlon Neo CPUとAMD M690Gチップセット)を搭載。Atom CPUとインテルチップセット、10.1型/1024×600ドット程度のディスプレーで、「低価格だが低性能・狭画面で実用性が低い」ネットブックに対する性能や実用性面での優位性を売りにしていた。
一方で、dv2夏モデルではCPU性能の物足りなさが指摘されていた(関連記事)。動作周波数はAtomと同程度のうえ、Atomがハイパー・スレッディング・テクノロジーによる疑似マルチコアで性能面でのハンデを多少はカバーしていたのに対して、Athlon Neoは通常のシングルコア。CPU性能がものを言う使用シーンでは、メリットが出にくかったわけだ。
当時からdv2のデュアルコアCPU化は噂されていたが、噂どおりのデュアルコアCPU化が実現されたのが、このdv2秋モデルの大きな特長である。搭載するCPUは、今回評価するHP Directplus専用の直販モデルが「Turion Neo X2 L625」(1.6GHz)、量販店向けモデルが「Athlon Neo X2 L335」(1.6GHz)となっている。
ちなみにこれらのCPUは、なぜかAMDのウェブサイトにも情報がない。そのため、どのような違いを持つのか分かりにくいが、dv2のスペック表で見る限り、2次キャッシュの量が異なるようだ。Turion Neo X2 L625は1MB、Athlon Neo X2 L335は512KBとなっている。
dv2夏モデルと秋モデルでのもうひとつの違いが、直販モデル、量販店モデルともに、独立GPUのMobility Radeon HD 3410(メモリー512MB)を搭載する点にある。夏モデルで独立GPUを搭載するのは、直販モデルだけだった。dv2をバリバリのゲームマシンとして使う、というのはユーセージモデルとしてなさそうではあるが、OS自体が積極的にGPUを使うようになるWindows 7では(関連記事2)、目立たないところで性能面でも効いてくるかもしれない。
そのほかに細かい違いとしては、HDD容量や無線LAN機能などがあるが、性能に関わる大きな違いはCPU程度である。
この連載の記事
-
第133回
PC
Skyrimも快適? GeForce内蔵Ultrabook ASUSTeK UX32VD -
第132回
PC
写真やゲームをより美しく見せるナナオの液晶 FS2333 -
第131回
PC
デジカメとスマホを手軽に連携する無線LAN SDカード FlashAir -
第130回
PC
無線とタッチで使い勝手が進化したペンタブレット Intuos5 -
第130回
PC
スレートPCをCore i7で蘇らせたオンキヨー TW3A-A31 -
第129回
PC
店頭モデルも4コアCPUに パワーアップしたLets'note B10 -
第129回
PC
小型でも強力GPU搭載のゲームPC Alienware X51を検証 -
第129回
PC
Ultrabookと一緒に持ち歩きたい 超小型マウス「Cube」 -
第129回
PC
14型のUltrabookはアリか? デザイン重視のENVY 14 SPECTRE -
第128回
PC
WiMAXモバイルルーターの決定版!? Aterm WM3600Rを試す -
第127回
デジタル
高速SSDで起動・復帰が速いUltrabook Aspire S3-951 - この連載の一覧へ