離れた場所から、感触を得る
また、触感を伝送するデバイスのデモも行われていた。
2台のユニットのうち一方(マスター)のスティックに指を掛けて動かすと、離れた場所にあるもう1方のユニット(スレーブ)のスティックが動く。そのスティックにものが当たると、その感触がマスター側にも返ってくる。触っているのが、やわらかいボールなのか、ギターの弦などかまでしっかりと分かるほど再現性は高い。
アイデアとしては目新しいものではないが、細かな感触まで伝達することは至難の業だ。通信のわずかな遅延もあだになる。つまり、触感をワイヤレスで実現するのはかなり高度な技術であり、LTE並みの高速な転送速度があって初めて実現可能なデモだそうだ。まだ、ユニットが大型のため、携帯電話に内蔵することは難しいが、工業/医療分野での展開を計画しているそうだ。
発表されたばかりの「フェムトセル」用超小型基地局をどう使うかというデモも興味深かった。自宅や会社のLANと接続し、住宅や店舗など、FOMAの電波が届かない場所をカバーできる超小型基地局がフェムトセルだ。
電波の届きにくい場所に設置する「レピーター」的な使い方はもちろんだが、それ以外にも各種機能が利用できる。例えば、登録された携帯電話機がセルの範囲に入ることを通知する「在宅プレゼンス機能」を使えば、自宅に誰がいるのかを確認できる。これは超小規模セルだからこそ実現できる機能だろう。オフィスにおいても活用できそうだ。
また、小さなセルに限られた人数だけが接続するため、安定した通信条件が確保される。音楽や動画など大容量データを楽しみたいというニーズにも応えてくれそうだ。
これ以外にも取り込み中の着信に自動応答してくれる「メールエージェント」や音声認識を利用したチケット予約システムなど、ユーザーの省力化を図るための研究が展示されていた。これらのデモは実際に体験することが一番なので、可能ならぜひ会場に足を運んで試してみてほしい。
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