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ワイヤレスジャパン 2009レポート 第2回

振ったり、覗き込んだり……、ドコモが考える次世代UIとは?

2009年07月23日 09時00分更新

文● 行正和義

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離れた場所から、感触を得る

 また、触感を伝送するデバイスのデモも行われていた。

 2台のユニットのうち一方(マスター)のスティックに指を掛けて動かすと、離れた場所にあるもう1方のユニット(スレーブ)のスティックが動く。そのスティックにものが当たると、その感触がマスター側にも返ってくる。触っているのが、やわらかいボールなのか、ギターの弦などかまでしっかりと分かるほど再現性は高い。

スレーブ装置側。スティックの先がギターの弦に触れている

マスター装置側。スティックを回すとスレーブ側装置のスティックが連動して動く。その際ギターをはじくような感触も再現される仕組み。スレーブ側にボールなど別のものを置けばもちろん感触が変わる

 アイデアとしては目新しいものではないが、細かな感触まで伝達することは至難の業だ。通信のわずかな遅延もあだになる。つまり、触感をワイヤレスで実現するのはかなり高度な技術であり、LTE並みの高速な転送速度があって初めて実現可能なデモだそうだ。まだ、ユニットが大型のため、携帯電話に内蔵することは難しいが、工業/医療分野での展開を計画しているそうだ。

メールエージェント。会議中や運転中など電話がかかってきても受けられないシチュエーションは意外に多いもの。そんな際に自動返答してくれるソフトウェア。定型文を返すだけでなく、天気情報や位置情報などと連動した文章を交えて内容に臨場感を出すことも可能(写真の赤枠内は天気情報から自動作成された文章)

 発表されたばかりの「フェムトセル」用超小型基地局をどう使うかというデモも興味深かった。自宅や会社のLANと接続し、住宅や店舗など、FOMAの電波が届かない場所をカバーできる超小型基地局がフェムトセルだ。

 電波の届きにくい場所に設置する「レピーター」的な使い方はもちろんだが、それ以外にも各種機能が利用できる。例えば、登録された携帯電話機がセルの範囲に入ることを通知する「在宅プレゼンス機能」を使えば、自宅に誰がいるのかを確認できる。これは超小規模セルだからこそ実現できる機能だろう。オフィスにおいても活用できそうだ。

 また、小さなセルに限られた人数だけが接続するため、安定した通信条件が確保される。音楽や動画など大容量データを楽しみたいというニーズにも応えてくれそうだ。

 これ以外にも取り込み中の着信に自動応答してくれる「メールエージェント」や音声認識を利用したチケット予約システムなど、ユーザーの省力化を図るための研究が展示されていた。これらのデモは実際に体験することが一番なので、可能ならぜひ会場に足を運んで試してみてほしい。

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