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塩田紳二の3年戦える「ビジネスPC」選び 第1回

「ネットブック」でなく「ビジネスPC」を選ぶべき5の理由

2009年08月19日 09時00分更新

文● 塩田紳二/イラスト●永野雅子

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ユーザーへの情報提供が適切か?

 故障なども、販売されている台数や利用期間を考えると起こりうる事態だが、落下させたなどのユーザーに起因する問題とは別に、原因不明の故障といった問題をどれだけ減らす努力がされているか、あるいは、故障したときの対応はどうなっているかは、メーカーや製品により違いがある。

 そのほか、バッテリーなどの消耗品やオプションなどの入手性も問題だ。カタログ上では存在していても、実際は入手が困難だったり、納品までに長期間かかるといったことは、ビジネスではあまり好ましくない。そのほか、情報提供が適切に行なわれているかどうか、たとえばPCの仕様が細部まで公開されているかといったメーカー側の体制もポイントになる。

 また、これは今後の取材記事として明らかになっていくと思われるが、ビジネス向けとして、さまざまな配慮がなされているかどうか、あるいは、そのためにどのような技術が投入されているのかという点もある。実は、ここが「ビジネスPC」と「非ビジネスPC」の大きな差別化のポイントだ。一定の仕様さえ満たせばどれもPCとはなりうるが、ビジネスに対する配慮や想定を行ない、そのための機能や仕様を持たねば「ビジネスPC」とは言い難い。

そして、ビジネスPCの価格に納得できるか?

 価格もPCの選定には重要な要素だが、ことビジネスPCとして考えると、価格に裏付けがあることが必要だ。つまり、「なんだかわからないけど、この価格になっている」のではなく、このような仕様や機能であるから、この価格になると理解できねばならない。強いて言えば、価格の理由である。安いのであれば、なぜ安いのかがはっきりしている必要がある。何を省いてあるから安いのかが分かれば、たとえ安価で機能が省略された製品であっても、(その点を理解して使えば)ビジネスに活用できるというわけだ。

 さて次回からは、実際の製品をレビューしたり、メーカーや製品担当者へのインタビューを行ないながら、ビジネスPCとはどのようなものであるのかを見ていくことにしよう。


筆者紹介:塩田紳二(Shioda Shinji)

フリーランスのテクニカルライター。コンピュータ雑誌編集者、家電メーカー勤務を経て、現職に。ハードウェア、ソフトウェアなどについて雑誌、Webサイトなどで執筆。戸籍上の出生地は福岡県だが、生後すぐに都内に引っ越したため、同県の記憶はない。出身地を聞かれ正直に答えて福岡の話をされても困るし、かといって東京とウソをつくのも後ろ めたいし、いちいち説明するのも煩わしい。それから「しおた」ではなくて「しおだ」です。

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