ビジネスPCに必要な資質とは?
UMPC/ネットブックをあえて選ばない理由
信頼性が充分高いか?
明確な定義はないが、ビジネスPCに必要な資質については、ある程度はっきりしている部分がある。ひとつは「信頼性」である。
前述のように、システムクラッシュなどが即、経済的な損失に結びつくとすれば、突然のシステムクラッシュなどは最も避けたい事態だ。PCがシステムクラッシュする原因はさまざまあるが、ハードウェアの不調やソフトウェア/システムに関する不整合などが真っ先に考えられる。もちろんPCも人の作ったものであるゆえ、100%完全であることはありえないが、きちんと出荷前の検証やチェックを行なうことで、ある程度は避けられる問題だ。
必要な周辺機器が用意されているか?
また、PCを購入時そのままの状態で使い続けることはなく、ソフトウェアをインストールしたり、周辺機器を接続するといったことが日常的に行なわれる。これらすべてを検証することは誰にもできないが、必要なものをオプションとしてメーカー自身が提供することはできる。これにより、きちんと検証された組み合わせを作り出すことは可能だ。
ビジネスに充分な性能を持っているか?
「性能」もひとつの指標だろう。ビジネスシーンでよく利用されるアプリケーションの実行に十分な性能がなければならない。たとえば、今販売されているPCならどれでも「Microsoft Office」は利用可能だが、その起動やアプリケーション間の切り替えがもたもたしていたのでは、ビジネスの利用には不適格と言わざるを得ない。
あるいは、画面(表示解像度)が狭くてダイアログボックスがはみ出してしまい、OKやキャンセルが押せなかったり、普段よく使うWebサイトをいちいちスクロールしないと見られない、といった仕様では、ビジネス利用は難しいといえる。
標準規格に適合しているか?
また、当たり前のことではあるが、各種の規格や仕様を正しく満たしていることも重要な点だ。たとえば、海外メーカーの製品の中には、ASCII配列のキーボードレイアウトで設計がなされたためか、キー数の多くなる日本語キーボードになると、一部のキーが小さくて、押し間違いを誘発することがある。もちろん、海外メーカーであっても、同じサイズにちゃんとした日本語キーボードを入れているところもある。一部のキーが小さくなってしまうのは、キーボード全体を見直すのではなく、一部変更のみでキートップの数合わせだけを行なったからだ。
もちろん意見として、「記号キーなど利用頻度が低いので問題はない」というのもあるだろう。しかし、(ケータイユーザーの増加などを背景に)カナ入力のユーザーが増えている現状を考えると、記号のほかにかな文字が置かれているJIS配列で、一部のキーが小さいのは、大きな問題(入力しづらい)と感じるユーザーもいる。なにも、ソフトウェア開発者でなくても、長いURLの入力やJavaScriptのカスタマイズ、Officeのマクロ機能などでちょっとしたプログラミングを行なう場合に、記号類の入力利用頻度は高くなる。
キーボードの差異はまだ購入時に見える部分なのでわかりやすいが、それ以外にもある。たとえば、内部のインターフェースやBIOSの実装、Windowsのドライバーサポートなど、さまざまな部分で、きちんとしたものが使われているかどうかは、見極めにくい問題だが、重要な点といえるだろう。
(次ページに続く)
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