世紀の天体ショーを全国4カ所の全天ドームに中継
いよいよ明日!皆既日食ライブ中継をシスコが支える
2009年07月21日 09時00分更新
7月16日、シスコシステムズは、46年ぶりに日本で観測される皆既日食の超高精細映像のライブ中継を行なう公開実験に参加したことを発表した。コアルータ「Cisco CRS-1」や10GbEスイッチ「Catalyst 3560E/3750E」などにより、ハイビジョンの4倍の画素数にあたる4K映像の伝送を実現するという。
超高精細映像で皆既日食を捉える
7月22日(水)に46年ぶりに観測される皆既日食では太陽が大きく欠けるほか、全天空や周辺の空間も変化するという。今回のイベントは皆既日食とそれに伴なう天体の様子を捉えるのに最適な超高精細映像を、国内4カ所の全天ドームにライブ中継する公開実験だ。
イベントは独立行政法人情報通信研究機構(NICT)と超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム(URCF)が共同で実施。具体的にはNICTの研究開発用ネットワーク「JGN2plus」と、URCFの「4K超高精細全天映像伝送網」によって、奄美大島で観測される皆既日食の超高精細映像が、けいはんなプラザ、大阪ABCホール、つくばエキスポセンター、大阪市立科学館の4つの全天ドームシアターにリアルタイムに伝送されることになる。中継される映像はハイビジョン(水平1920×垂直1080画素)の2倍にあたる2K映像と4倍にあたる4K映像で、超高精細を謳うだけあり、非常に高い再現力を持つ。
シスコは3つの分野で技術と製品を提供
今回シスコシステムズは、バックボーンルータ、DWDM(高密度波長分割多重方式)技術と高速スイッチ、そしてユニファイドコミュニケーションシステムの大きく3つの技術と製品でイベントを支えているという。
まずJGN2plusの堂島アクセスポイントにおいては、シスコハイエンドルータ「Cisco CRS-1」上でSDR(Secure Domain Router)で分割された2台の仮想ルータが動作している。SDRはプロセッサやラインカード、メモリなどを完全分離する技術で、管理も異なる仮想ルータを複数構築できるというもの。10GbEのインターフェイスを収容し、6.5Gbpsの非圧縮の4K映像をルーティングする。
また、映像が集まる朝日放送にはCRS-1のほか、最大9台のスイッチをスタックできるCatalyst 3560EやCatalyst 3750Eが設置される。DWDMの多重化装置であるOADMとDWDMモジュールにより、堂島アクセスポイントとのリンクを10Gbps×2波長で多重化している。
さらに各拠点との通信では、ビデオ会議が可能なデスクトップ向けのIP端末「Cisco Unified IP Phone 7985G」を採用。カメラ、液晶ディスプレイ画面、スピーカー、キーパッドおよびハンドセットなどを備え、電話と同じ感覚でビデオ会議を実現できるという。これによりカメラを設置した奄美大島や朝日放送、そして全国の映像伝送先との密接なコミュニケーションを実現したという。
シスコは「メディアネット」と呼ばれるサービスプロバイダ向けのビデオ伝送ネットワーク構想を提唱しており、CRS-1をはじめ、今回のイベントでもこの構想に乗っ取った製品や技術を採用しているという。
明日、大阪のABCホールで行なわれるライブ中継イベントの模様は、ASCII.jpでレポートする予定。
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