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これが本当の聖地巡礼! お寺はどうして「始まった」?

「大吉出たから始めた」萌えるお寺、了法寺ができたワケ

2009年07月17日 16時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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「これは弁天様に見えない」と言われたこともあった


――あれだけ思いきり萌え系に踏み切っていると、檀家さんの反応が気になります。

三井 お寺に来られる方々にもご好評いただいていますよ。それは単純に「アキバ」とか「萌え」とかではなく「かわいい絵だね」って思っていただけているようです。

とろ美 「萌え系」ですか? 自分はそこまで考えていなくて、かわいくデザインできたらなって描いてみただけなのですが。ご本尊を「キャラクター化して欲しい」というあたらしい試みに精一杯応えたくって頑張ってみました。

寺院の中には施設を説明するパネルも。それもよく見ると……(下へ)

パネルのすべてにイラストが入っている。またしてもめまいが


――ここ1週間でネットで話題になりました。実際にお寺を訪れて写真を撮る「聖地巡礼」と呼ばれる行為も増えてきたようです。

とろ美 ネットで見ました。本当に光栄です。私のサイトもあるんですが、アクセス多すぎでダウンしたりして、びっくりしました。話題にしていただけて、楽しんでいただけているのはとてもうれしいです。「聖地巡礼」ですか? すごくご利益ありそうですね。


――どれくらいの期間をかけて作られたんですか?

とろ美 はじめに話が出たのが3月頃で、4月くらいに描きはじめ、5月に出来上がったというスケジュールでした。考えてみると早いですね。

 実際にできあがった看板を設置するところはスティッカムTV(ライブカメラを使ったコミュニティサイト)の「クレイジーオタクワールドオブゲンカンマット」という番組で放送しました。それと同じ内容がニコニコ動画にもアップされています。「とろ美」か「了法寺」で検索すれば出てきます。

――神様をイラスト化するのは難しかったのではないかと思います。

とろ美  はじめお話をいただいた時は自分自身、お寺に対するイメージで「不謹慎では?」と思ってしまいましたが、ご住職に詳しくお話を伺った所、仏教や宗教はもっと大らかなものなんだなって思いました。むしろ人に対してずっと好意的で身近なものなんじゃないかな?

 だからこうして新しいデザインにするのも、それをみんなが「萌え」って言ってくれるのも決して失礼ではないし、忘れられていったりする方が寂しいと感じます。もっと知って欲しいし、理解して欲しい。だってもともと人の幸せのためにあるものだったはずでしょ? 神様は人の事大好きみたいですよ。

 御神体を見せていただいて、その後に住職に取材というか、神様に関するお話を詳しくお伺いして。とにかく間違いや失礼があってはいけないというので、細かいところまで正確になるよう気をつけました。

キャラクターが寺院の施設や宗旨を説明。フキダシの中にQRコードが振られ、ケータイサイトにアクセス出来る


――具体的にはどういったところで。

とろ美  たとえばラフの時点で、上人が頭に巻物を載せているのは文献どおりだったんですが、本当はその巻物の本数が「8本」から3本少なかったのを直したり。あと、弁天様が琵琶の代わりに剣を持っていたり、竜神様が鍵を持っていたりという。

三井 住職が心配になって「(ラフを見て)これは弁天様に見えない」と言っていたこともありました。足はもうちょっと細いといいね、なんて言って直したとき、「それだと弱くなるから戻して」というやりとりをしたこともありました。

ラフの段階からかなり作りこまれ、細やかな設定がされている。実際には反映されていないものもあった

話に出た「8本の巻物」。ラフの時点では3本足りなかった

――そのほかに気をつけられたことは。

とろ美 せっかくデザインさせてもらうので「現代的に」というのは考えました。衣装は実際に着られる形をイメージしてみました。


――神様をあらわすキャラクターに「とろ弁天」という名前がついているのは。

三井 名前はわたしが考えてます。ただ、鬼子母神は力の強い神様なので、その名前がついてしまうと逆にダメと言われたんですよね。弁天様に関しても同じです。だからむしろ「とろ弁天」で構わないと。

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