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ニコニコ動画講座の神職人を取材してみた 第3回

プロの犯行現場|ネコ耳&制服美少女を描くっ!【Painter編】

2009年08月01日 12時00分更新

文● ASCII.jp編集部、iori イラスト●iori

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重要なのは画面全体としてのバランス
消しゴムは使わず、修正で生まれるグレーの味を生かす

 顔がある程度できたら、次は体。髪の毛との間に出来る空間が後々重要になってくるので、そこだけ考えながら、手が動くとおりに書いていく。基本的な描き方はまず黒で描き、白で削って、また黒で描く、の繰り返しで形をとっていく。

 消しゴムツールは使わず、あくまで白のペンで修正を「描く」理由は3つ。1つは消しゴムより、色の変更の方が作業時間を短縮出来ること。もう1つは、白と黒の中間色として生まれるグレー部分を絵の味として活かせること。そして最後は、テクスチャーの質感を残しながら消せるということだ。単純に消すわけではなく、背景色をスポイトで拾って消すイメージと考えれば分かりやすい。

ひたすら黒で描く、白で削る、黒で描く、の繰り返し

 線画主体の絵の場合は精密な描き方が合っているが、こういった「削り描き」には勢いや大胆さが生きてくるという。体を描くときは、中心線を意識するのがポイント。胸の谷間やらおへそなどを通る線がそれだ。余談だが「夢とロマンが詰まっております」とのこと。

 つづいて服やしっぽを描いていく。しっぽは画面のバランスを取るのにとても使えそうなアイテムということで大切に描いていく。この段階で考えていることは2つ。1つはキャラクターのデザイン、もう1つは構図のデザインだ。

足の向きも全体のデザインに合わせて何度も変更する。右側に伸びるしっぽもバランスを調整するためのアイテムだ

 画面内の白と黒のバランスを取りながらポーズを考えていく。キャラクターイラストなので女の子の完成度を高めるのはもちろん、画面全体を見たときのまとまりをカラーバランスから考えることが重要。1つの「模様」と考えて、バランスの良いものになるのがベストだ。

 つづいて小物を追加、ケータイや鞄といったアイテムで女子高生っぽさを表現していく。ケータイから音楽を聴くなどのディテールでイマドキ感を演出。そしてつづいていよいよ背景へ。

ケータイやカバンなどの細かいディテールにも気を使う。今回は「機械っぽいもの」を中心にしたイメージになっている。べたっと全体を塗った髪に、細いペンで白く線を入れて束感を出していく

 まずは使いたい模様を使って背景を描き、気に入らなければ描き直し、という工程を何度も何度も繰り返す。市松模様の壁を作ってみたり、椅子のようなものを描いてみたりと模索する。「それでもしっくり来なくて困ってしまいました」

背景は前景になるキャラクターとのバランスと、全体のバランスを合わせて考える。市松模様の壁を作ったり、椅子を作って座らせてみたりと試行錯誤が続く

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