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シマンテック、重複排除戦略の説明会を開催

データストレージの“ダイエット”は3本の柱で

2009年07月15日 10時00分更新

文● 金子拓郎/TECH.ASCII.jp

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シマンテックの重複排除戦略を紹介する米シマンテックのディーパック・モーハン氏

 シマンテックは7月14日、都内の本社で同社のバックアップソフトウェア「NetBackup 6.5.4」、「NetBackup PureDisk 6.6」、「Backup Exec 2010」の説明会を開催。併せて、米シマンテックの情報管理グループ担当シニアバイスプレジデントのディーパック・モーハン(Deepak Mohan)氏が、同社の重複排除戦略とバックアップ製品の新バージョンについて解説を行なった。

 「重複排除」は重複するデータを削除することで、ストレージの容量を節約する技術。シマンテックでは「Backup Exec」や「Veritas NetBackup」などのバックアップ製品において、この重複排除機能の強化を推し進めている。

バックアップ3製品の発売時期と重複排除関連の新機能
製品名提供予定新機能
NetBackup 6.5.4提供開始済みHyper-Vへの対応、OSTデバイスでの仮想合成機能
NetBackup PureDisk 6.62009年後半仮想マシンのイメージにおける重複排除を改善、仮想アプライアンスオプション
Backup Exec 20102009年後半クライアント側での重複排除、メディアサーバ側での重複排除、OSTを介した他社製の重複排除ディスク

 モーハン氏の説明によると、同社の重複排除戦略は「データストレージの“ダイエット”」を目指しており、

  1. あらゆる場所でのデータを削減
  2. 複雑性を軽減
  3. インフラを削除

の3点からなっているという。

 1番目のあらゆる場所でのデータを削減については、通常行なわれるメディアサーバ(バックアップデータを保存するサーバ)での重複排除処理だけでなく、バックアップクライアント(バックアップされる側)に導入したエージェントによる重複排除も行なう。これにより、ストレージ容量の節約だけでなく、メディアサーバとバックアップクライアント間のネットワーク帯域の節約、そしてメディアサーバへの負荷の軽減も実現する。

 また、メディアサーバ側での重複排除処理についても、Backup ExecやNetBackupはソフトウェアのため、通常のHDDを搭載したメディアサーバに重複排除機能を持たせることができる。そのため、重複排除機能を持つ高額なストレージ製品を導入するより、最大で50%安価になるという。

 2番目の複雑性を軽減としては、他社製品の重複排除機能も自社製品と統合して管理が可能な点がある。同社では、他社のストレージを制御するために「OpenStorage API」を用意。これに対応した「OSTプラグイン」をベンダーが開発することで、そのベンダーのストレージをシマンテック製品のコンソールから管理できるようになる。現時点ではデータドメイン、EMC、ファルコンストア、クアンタムの製品に対応しており、さらにパートナーを広げる予定としている。

 3番目のインフラを削除は、仮想化への対応だ。重複排除済みのバックアップクライアントにより仮想サーバ効率性を向上させ、サーバとともにストレージも統合することで、仮想化における投資効果の改善を目指す。

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