FPSで重要な環境設定を極める
ここからはゲームにおけるグラフィックオプションについて解説しよう。FPSゲームということで、今回はUbisoft Entertainment(以下,Ubi)の代表作「Far Cry 2」を取り上げる。“2”というくらいだから“1”があるのだが、1と2では,発売したデベロッパーが違うばかりか、ゲームエンジンの会社もプログラムも全く異なるものを使っている。名前こそ“2”だが、全くの別物だ。1では、劇的に重いCrysisを開発したCrytekの「CryENGINE 1.0」がグラフィックエンジンとして採用されていたが、2ではUbiが開発した「DUNIA Engine」が採用されている。
(1)Rsolution(ディスプレイ解像度)
使用するビデオカードと接続するディスプレイによって設定範囲は異なるが、高い解像度を指定するほど描写負荷は高くなる。なおFar Cyr 2の場合、ワイド画面設定をしても画角が広がらない。これは4:3の画面の上下をカットすることでワイド画面にしているためだ。
(2)Refesh Rate(リフレッシュレート)
液晶ディスプレイなら60ないし59がデフォルトなので、ここは特に変更する必要はない。ただし、一部の16:10液晶ディスプレイで16:9設定(1680×1050など)を指定して表示がおかしくなるようなら、ここの数値を変えることで解決できることもある。
(3)V-Sync(ディスプレイの垂直同期)
デフォルトは「Yes」だ。ゲームプレイでは「Yes」のままでも問題ない。ベンチマークアプリケーションを実行する際はここを「No」にすることで最大フレームレートが大きく向上する。
(4)Anti-aliasing(アンチエイリアス)
これは斜めな線を表示する際に発生するジャギーと呼ばれるギザギザな表示を滑らかにする設定だ。設定はNONE、2X、4Xと以降は装着するビデオカードによって変化する。基本的に数字が大きくなるほど、効果は高くなるが、同時にパフォーマンスも低下する。ミドルレンジなビデオカードなら「None」、ハイエンドなら「4X」を指定しても大丈夫だ。さらにハイエンドなGPUでSLIやCrossFireXなどを構築すれば、より高いレベルのアンチエイリアスを設定してもいいだろう。ただし、4Xを超える設定は、見た目的にそれほど違いはないため、現実的には4Xで十分だ。
(5)DirectX Version(DirectX バージョン)
DirectX 9とDirectX 10が選択できるが、表示上の違いはほとんどない。ただ、DirectX 9を選択すると、最大画質を選択できないため、Windows Vista環境ではDirectX 10を選んでおこう。逆にDirectX 10を選ぶと、HDRレンダリングが強制的に行なわれるため、ローエンドのビデオカードなどで重いと感じたらDirectX 9を選択し、HDRオプションを外すことで負荷を軽減できる。
(6)COLOR(色調調整)
Brightness、Contrast、Ganmmaの調整ができる。これは好みに応じて調整しよう。
(7)Real Tree(木の質感)
Low、Medium、High、Very Highの4段階から設定できる。この質感というのはテクスチャではなく、木の挙動、動きを指している。High以上にすれば木は風によって揺れるが、Medium以下では木は全く動かなくなる。ただしパフォーマンスに与える影響は非常に軽微なので、ここではVery Highに設定しておけばOKだ。
(8)Fire(火・炎)
「Far Cry 2」では焼夷弾などで草に火をつけることができる。その火の表現方法をLow~Very Highまで選べる。ただここを変更しても、見た目的にほとんど変わらず、パフォーマンスにもほとんど影響を与えないのでVery HighでOKだ。
(9)Physic(物理演算)
「Far Cry 2」では独自の物理演算エンジンを搭載し、ビデオカードに寄らず表現が可能となっている。ただゲーム内における物理演算が占める割合はかなり低く、最大値のVery Highでもパフォーマンスはほとんど変わらない。よってここもVery HighでOKだ。
(次ページへ続く)
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