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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第80回

ケータイを買う際にカスタマイズは当たり前になる?

2009年07月14日 17時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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これまでのケータイ作りになかった新境地

 今回はドコモオンラインショップからのみの受注で、これらのカスタマイズを組み合わせながら、自分だけの端末を作り上げられる。その後ドコモからNECに発注され、製造を開始。約3週間ほどでユーザーの手元に届く仕組みだ。

NEC 有田氏

NEC 有田氏

 カスタムメイドにもかかわらず、この納期の短さにも目を見張る。「ケータイの新モデルは半年に1回は登場するので、これ以上お待たせするわけにはいきません」と有田氏は語る。当然、ケータイの作り方も変わっているという。

 「これまでのケータイの工場のラインは、何万台、何十万台を生産する体制で作られてきました。マイセレクトモデルのような一点生産はこの仕組みとは真逆。もちろんこれまでも(カスタマイズモデルの)ニーズは感じていましたが、なかなか踏み切れませんでした」(有田氏)

 色、模様、イルミネーション。カスタマイズという割には3ヵ所だけかと思われる方もいるかもしれない。数の問題ではないにしても、着せ替えパネルの方が代わり映えするじゃないか、という考えもある。しかし、そこには前述の生産体制へのチャレンジとともに、カスタマイズに対しての気づかいがある。

 「着せ替えパネルはイルミネーションの光るカタチまでのデザインはできませんでした。また、何でも選べる、あるいは選ばなければならないという仕組みだと、逆にどう組み合わせて良いかわからなくなってしまいます。選択に失敗しないで、人とは違うモノを手に入れるにはどうしたらよいか。その答えとして今回のマイセレクトモデルを考えました」(有田氏)

専用の待受画面

毎日違うハートが待ち受け画面に浮かぶマイセレクトモデル。人とは違う自分らしさ、毎日が違う1日、というマイセレクトモデルの世界観を伝えてくれる。自分の誕生日や元旦、クリスマス、ハロウィンなどのイベントの時のハートは要注目

 普段から肌身離さず使うケータイ。そして昨今は1つの端末を長く使う傾向にもある。カスタマイズした結果、できあがったモノが「失敗」だとしたらダメージは大きい。その心配がないようにまずは3ヵ所のカスタマイズで自分らしいケータイ作りを「スタート」してもらおう、というカスタム入門モデルという位置づけになる。

 まず、ケータイでオーダーによるカスタマイズが出来るのだ、と言う事を示してくれたN-08A マイセレクト。amadanaケータイの限定色やヱヴァケータイのような限定モデルとは違う、自分の好みの1台を作ってもらう楽しみは、ケータイの新しい買い方を提案してくれる。

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