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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第80回

ケータイを買う際にカスタマイズは当たり前になる?

2009年07月14日 17時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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今週の1枚

【今週の1枚】「N-08A」の標準モデル(左)と、マイセレクトモデル(右)。ピンクの色味とパネルの模様は同じだが、マイセレクトモデルはイルミネーションがアルファベットの「K」にカスタマイズされている

外形やカラバリだけでは
自分らしいケータイにはならない

 最近同じケータイを見かけなくなった、と感じないだろうか? ハードウエアやデザインでの進化を続ける日本のケータイのおもしろいところでもある。

 一方でiPhoneやAndroid端末は多少の色違いがありながら、みな同じ姿形の端末を使っている。iPhoneにいたっては、iPhone 3GとiPhone 3GSは全く同じカタチ。僕はiPhone 3GS発売前に、iPhone 3G用のAirJacketを新調して使い始めて、そのままiPhone 3GSに流用している。ぴったりなプラスティックのジャケットがフィットするほど、カタチに変化はないのだ。

 しかし姿形は同じでも、入っているアプリ、起動しているアプリによって、端末の役割はまったく激変する。逆に言えば、同じ端末を持っていても中身が違うせいで、同じユーザー体験をしているユーザーはいないのではないか。触った瞬間に端末のおもしろさがわかる一方で、その先にある便利さ、快適さを得るまでには、多少時間が必要な理由でもある。

 ソフトバンクモバイルがPANTONE端末をリリースして以降、各社カラーバリエーションを多く取りそろえる傾向は続いている。INFOBARやMEDIASKIN、amadanaケータイのように色も含めてデザインにコンセプトを持たせて、ユーザーに対して世界観への、より深い共感を誘う端末もある一方で、スタンダードな端末は色数をたくさん用意して選んでもらうという傾向も見られる。

812SH

カラバリの極致だったソフトバンクの「812SH」。通称PANTONEケータイ。最終的には24モデルが登場した

 ユーザーは好きな色を選んだ上で、ストラップを選んだり、ラインストーンなどでデコレーションをしたり、ケースを選んだり、思い思いのカスタマイズを施す。高級ファッションブランドなども参入して、ケータイ周辺のアクセサリーの充実は非常に広がりを見せている。

 一方で、シンプル志向のユーザーはどうすればいいだろう。ゴテゴテしたストラップを付けたくない、ラインストーンの装飾もイヤだ。薄型端末を薄くて軽いまま使いたいが、一方で自分らしさもほしい。そんなニーズをかなえるとき、多色展開だけではどうしても対応しきれなくなってきた。

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