「子供時代に読んで、人生が変わった1冊は?」と問われたとき、あなたはどんな本を思い出すでしょうか?
未来の大人たちが、そんな質問をされたときに思い出すような本を世に送り出したい――そんな願いを込め、まったく新しい児童文庫レーベル「角川つばさ文庫」が、2009年3月3日に創刊されました。
公式ページトップ http://www.tsubasabunko.jp/ では、矢野顕子氏作詞作曲のオリジナルCMソングが聴けます!
作品ラインナップには、『ケロロ軍曹』『涼宮ハルヒ』『時をかける少女』『スレイヤーズ』などなど、角川グループが誇るコンテンツが勢揃いしている強力なレーベルです。
その角川つばさ文庫において、ついにあの世界的ベストセラー・ファンタジー『ドラゴンランス』シリーズが復刊開始となりました。
その記念すべき第1弾が、2009年7月15日発売の「ドラゴンランス 1 廃都の黒竜(上)」です。
小学校高学年以上を対象にした作品ですが、大人の方でも問題なく楽しめる文体で訳されていますので、お子様からお年寄りまで、ぜひ、このわくわくする壮大な剣と魔法のファンタジー世界をご堪能ください。
一生心に残りうる、まれに見る傑作です!
ドラゴンランスのストーリー
ドラゴンランスの舞台は、人間のほかにも、エルフやドワーフ、ゴブリンやトロール、ミノタウロス、ケンタウロス、ペガサスなどの多彩な種族が住む、魔法にあふれた世界クリンです。
約300年前、神々の怒りをまねいて起こった〈大変動〉という天変地異によって、かつて華やかだったクリンの文明は大きく損なわれています。
現在、人々は真の神々への信仰を捨て、〈大変動〉のときに何もできずにいた騎士団を憎み、魔法使いたちを恐れ怪しみながら、傷ついた世界で静かに暮らしています。しかしこうしている今も、クリンにひたひたと邪悪の魔手が迫っていたのです……。
世界は、危険に満ちています!
荒野では邪悪で殺しが大好きなゴブリンやオークがのし歩き、森の奥深くでは死者の霊がさまよい、生命ある者を呪い続けています。
そして、とうとう謎の邪悪な軍勢が、平和な村々を襲いはじめました!
それなのに、戦争を嫌う気高いエルフたちは森の王国に引きこもり、頑固なドワーフたちは、洞窟に住む山ドワーフと平野に住む丘ドワーフに分かれ、互いに争っています。
この世界の危機を救うことになるのは、まだまだ未熟な――互いに言い争ったり、疑ったりしている冒険者たちなのですが、本人たちには将来英雄となるような自覚はなく……
ドラゴンランスの魅力
この作品の最大の魅力は、作り込まれた壮大な世界設定です。読者の皆様には、自分がファンタジー世界に入り込んで、実際に冒険しているかのような興奮を味わっていただけるでしょう。「本当に、このような別世界が、どこかに存在しているのでは?」という錯覚を起こさせるほどのリアリティを持っています。
そして本作品のもう1つの大きな魅力は、互いに傷つけあったり、助けあったりしながら成長していく、愛すべき登場人物たちです。下の囲みでご紹介しているレイストリンのほかにも、ひと癖もふた癖もある魅力的なキャラクターがたくさん出てきます。
過酷かつ絶望的な状況下で、友情と信頼、愛が試されるストーリー展開は、本当に感動的です。そして、思わず吹き出すやりとりもたくさんあります。それが緊迫感の間にはさまる、良い息抜きとなって、その後の感動と達成感をより高めてくれるのです。
たくさん笑って、たくさんホロリとさせられる、エンターテイメント要素がふんだんに盛り込まれた作品です。
あなたも、1巻、2巻と読み進めていくうちに、登場人物たちを昔なじみの古い友人たちであるかのように身近に感じ始めることでしょう。
そして、ドラゴン! とにかく、ドラゴンランスで出てくるドラゴンたちは、とてつもなく恐ろしい! 読むだけで、ドラゴンに相まみえ、ドラゴンに触れたかのようなリアルな緊迫感があります。ドラゴン好きにはたまらない作品とも言えるでしょう。
ぜひ多くの方にこの興奮と感動を味わっていただければと思います。
魅力的なキャラの一人――
謎多き魔法使いレイストリンについて
謎の多い魔法使いレイストリン――彼は幼少の頃から、病弱で皮肉屋で、「自分は誰よりも頭がよい」とうぬぼれてきました。そんなレイストリンは、まわりからうとまれ、心をゆるせる友もいませんでした。
弟のレイストリンを常にかばう、ハンサムな巨漢の戦士がキャラモンです。彼はレイストリンとは双子の兄弟ですが、おおらかで明るく、優しい人柄のため、常に人望に恵まれ、仲間から信頼されています。
そのキャラモンが、真っ先に心配し、かばい、優しい手をさしのべる対象こそがレイストリンなのですが、レイストリンはそうした兄からの同情や憐れみを何よりもつらく、悲しく思っており、しばしば苛立ちすら覚え、兄に対してきつい一言を放ちます。
そんなひ弱なレイストリンが、すべての情熱を捧げるのが、魔術の道です。魔術こそ、彼の明晰な頭脳をいかして強大な力を得られる道だからです。
彼は正式な魔術師になる試練である〈大審問〉を異例の若さでパスし、魔法使いとして第一歩を歩み出します。しかし、そうして得た魔力と引き替えに、彼の健康は永遠に失われ、肌が金色の呪われた姿になってしまったのでした。
タニスら冒険仲間たちと旅をしながら、魔法をかけるたびに、血を吐き、倒れるレイストリン……彼の真の野望とは? 果たしてレイストリンは本当に味方なのでしょうか?
そのほかにも、ドラゴンランスには、仲間たちのリーダー的存在であるみなしごの半エルフ(ハーフ・エルフ)のタニス、おしゃべり好きで他人のものを無断で“借りる”(する、とも言う)のが得意な小さなタッスルホッフ、グチばかり言って短気だが心の中では仲間を深く愛している老ドワーフのフリントなど、楽しい仲間たちがたくさん登場します。ぜひ、この機会に、ご一読をお願いします! 心よりおすすめする作品です。これを読まずに死ぬのは、人生の損失だと私は信じています。
★つばさ文庫版「ドラゴンランス1」ですが、下記で立ち読みできます。
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200905000298
↓
http://www.kadokawa.co.jp/tachiyomi/book/200905000298/
★下記、つばさ文庫の公式サイトトップにも情報が掲載されました。
http://www.tsubasabunko.jp/index02.html
近く、「おすすめの本」コーナーにも特集記事が出ます!
★ネット書店Amazon.co.jpでも購入可能です。
http://ascii.asciimw.jp/books/books/detail/978-4-04-631025-5.shtml