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イージェネラとの協業でITシンプル化を促進

DELL PAN SYSTEMは仮想化の理想郷か?

2009年07月14日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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7月13日、デルはデータセンターの仮想化を実現する「DELL PAN SYSTEM」とそのユーザー事例を紹介するプレスブリーフィングを開催した。「ITのシンプル化」を謳う同社が提供する仮想化の取り組みの進捗に注目が集まった。

DELL PAN SYSTEMとは?

デル株式会社 システムズ・ソリューションズ統括本部長 執行役員 町田栄作氏

 デルは、データセンターの仮想化を実現するためにイージェネラとの協業によりDELL PAN SYSTEMを昨年から提供している。イージェネラはサーバやストレージ、デスクトップ、ネットワーク、I/Oなどを仮想化した「BradeFrame」と呼ばれる専用サーバ、物理/仮想サーバを統合的に管理する「PAN Manager」を提供するベンダー。両者の協業により、「複雑化と非効率が進行している現在の企業システムを、シンプルで統一された管理を提供する」(デル株式会社 システムズ・ソリューションズ統括本部長 執行役員 町田栄作氏)

 DELL PAN SYTEMのPANとはProcessing Area Networkの略で、ストレージ同士を相互接続するSANと同じく、物理的に異なるCPUやメモリなどのリソースを相互接続し、統合化する技術を指す。PANにより物理的なサーバという概念を除去し、ストレージやネットワークだけではなく、CPUやメモリ、I/Oなどのリソースをアプリケーションに対して動的に必要なリソースを割り当てることが可能になる。

あらゆるITリソースの仮想化を実現するPAN SYSTEMの概要
イージェネラ株式会社 マーケティング本部長 保阪武男氏

 従来、このPANはイージェネラの専用サーバとPAN Managerの組みあわせでのみ実現していたが、デルはイージェネラからPAN ManagerのOEM供給を受けることで、デルのサーバでも利用可能になった。「以前からPAN Managerは評価されていましたが、弊社のサーバが価格的にやや高いのもあり、他社のサーバをサポートしてほしいという要望はずっとありました。そこで昨年デルへのOEM供給という決心をして、PANをすべてのハードウェアへという計画を推進することにしました」(イージェネラ株式会社 マーケティング本部長 保阪武男氏)という背景だ。

デル株式会社 システムズ・ソリューション統括本部 アドバンスド・ソリューション開発本部 ビジネス開発 マネージャー 馬場 健太郎氏

 具体的なDELL PAN SYSTEMでは、イージェネラのPANソフトウェアを用い、pNodeと呼ばれるプロセッサノードを「PowerEdge M1000E/M610」、cNodeと呼ばれるコントローラを「PowerEdge 2950 Ⅲ」で構成し、Ethernet等で相互接続。PAN Managerから統合的に管理できる単一のサーバファームを構築。LPAN(Logical PAN)と呼ばれるリソースグループに分割し、アプリケーションに割り当てることができる。また、「GUIから2クリックでHA構成を設定できるのは大きな売り。障害時の自動フェールオーバーも可能です」(デル株式会社 システムズ・ソリューション統括本部 アドバンスド・ソリューション開発本部 ビジネス開発 マネージャー 馬場 健太郎氏)

パナソニック電工ISが導入事例を披露

 そして、このDELL PAN SYTEMの導入事例を披露したのが、古くからイージェネラのユーザーであるパナソニック電工インフォメーションシステムズ(パナソニック電工IS)だ。同社はイージェネラのサーバとPAN Managerを活用し、2004年から2000台以上ある親会社のパナソニック電工のサーバを統合。2009年6月現在、11筐体245ブレードで400台のサーバを統合したという。

パナソニック電工ISのサーバ統合

 そして、同社はさらに仮想化インフラ構築支援事業を2008年から展開。インフラチームがアプリケーション部門に対して仮想サーバを割り当て、適正価格で提供するという「プライベートクラウド」を実現しているという。そして、昨年からテスト運用ということで、デルのサーバをPAN Manager配下に追加し、正常動作時の挙動やサーバの障害対応など200項目を検証した。その結果、イージェネラのサーバと同様の仮想化機能を実現していることがわかったという。そして2009年6月からは、このプライベートクラウドをパナソニック電工のスケジュール管理サービスで利用し、商用サービスとして提供開始したという。

 安価なデルのサーバを用いた構成でも、価格はブレードサーバ(pNode)、冗長構成のラックマウントサーバ(cNode)、PAN用ソフトウェアのライセンス、保守契約5年分という構成で1100万円からとなる。そのため、ユーザーはまだまだ大企業に限られるが、仮想化やクラウドコンピューティングの理想型として今後の実績が期待できそうだ。

初出時、DELL PAN SYSTEMの導入を行なったパナソニック電工インフォメーションシステムズ様の社名を誤って表記しておりました。お詫びして、訂正させていただきます。本文は訂正済みです。(2009年7月14日)

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